戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ゴイシジミ

今日はあいにくの雨ですが、 暖かくなり館周辺でも様々なチョウが飛び回りはじめました。 先日、なかなかきれいなチョウの写真を撮ることができました。 「ゴイシジミ」というチョウです。 その名の由来は碁石をちりばめたような模様をしているからです。チ…

夏の“くも”

今日は雨がぱらついたり、晴れ間がのぞいたりと安定しない天候でした。夕方、陽がさして気温が上がったからでしょうか、博物館の北西方向を見ると大きな“くも”ができていました。もくもくと立ち上がるその姿は、真夏の積乱雲そのもので、強い上昇気流により…

ふん・フン・糞

きれいでない写真ですみません。でも糞からはいろいろなことがわかるので,良い情報源になります。さて,これは誰の“ふん”でしょう? かなりの大きさがあるので、大きな動物であることがわかります。しかも緑っぽい色をしていて,繊維がいっぱいなので山菜を…

フジの芽生え

3月に博物館でヤマドリを解剖したのですが、そのお腹の中から植物のタネが幾種類も出てきました。何の種類か調べるためにも、それらのタネを播いてみたのですが、1種類の芽生えがこのごろようやく出てきました。 フジです。フジの芽生えには双葉はなく、最…

これはなんでしょう?

5月15日と今日(27日)に撮影した写真です。だいぶ成長しているのがわかると思います。さぁ、なんの子供でしょうか? ヒントは今日の写真では、鰓(エラ)がだいぶ大きくなってきています。そして、大人になるとエラがなくなり、陸上で暮らす生き物です。普…

かたむく地層と火山灰

長野市豊野、飯綱町、中野市の境界付近に露出する地層の調査に行ってきました。このあたりには、昔(20万年くらい前)の湖にたまった泥や砂の地層が見られ、JR立ヶ花駅付近では約40度傾いているのが確認できました。 砂や泥は、湖の底に積もったものですから…

サボテンのトゲ?

実はグミの葉っぱの表面を顕微鏡でのぞいたものなんです。深海のあやしいヒトデの集団にも見えますよね。 グミの仲間の識別ポイントの一つに葉っぱの毛のかたち、というものがあります。そこで博物館に今咲いているグミの葉っぱをとってのぞいてみたら、こん…

アリが運ぶタネ

初夏の陽気が続くこの頃、博物館の周りで見られる花も様変わりしてきました。春の到来を教えてくれた花たちは、今はもうタネをつけているものが多いです。以前ご紹介したタンポポやフキのように綿毛でタネをとばすものもいますが、他にも面白い方法でタネを…

季節はずれの・・・

今朝、車のフロントガラスを見るとホコリまみれになっていました。昨晩少し雨が降ったせいでしょう。大気中に舞っていた微粒子が雨粒とともに降ってきたものでしょう。その正体は何のか、採取して実体顕微鏡で観察してみました。なんと花粉だったのです。丸…

園児と“うりぼう”

昨日もち込まれた“うりぼう”は、とてもきれいで状態が良好(新鮮!)でした。自分たちが暮らしているすぐ近くにこんな動物がいるんだということを知ってもらいたくて、保育園の子供たちに見てもらうことにしました。かわいいので「触りたい!」と子供たちは…

うりぼう

漢字で書くと瓜坊です。イノシシの子どもで、背中の模様が瓜(うり)に似ているのでそう呼ばれるようです。まだ小さく、歯が生え始めたばかりなので、この春生まれた子供でしょう。このくらいのサイズのままでいてくれれば、非常にかわいらしくて良いのです…

5月の自然観察会

自然観察会第2回目の今日はあいにくの雨模様でしたが、皆さん元気に参加していただきました。感謝です! まず外でお気に入りの花やクローバー(7つ葉もあり!)を摘んだ後に、部屋で押し花作りをしました。電子レンジであっという間にかわいい押し花のでき…

竹筒の中から

明日は5月の自然観察会です。竹筒に巣を作るハチたちを呼ぶために、「竹筒トラップ」を作ろうと思います。こうした筒に巣を作るハチはおとなしく、ヒトをおそうことはありません。うまくいけば狩バチがイモムシやバッタを巣に運ぶシーンが見られるかも、と…

“わたげ”の秘密

植物には風の力で種を遠くに運んでもらうものがあります。その方法の1つとして“わたげ”を使ってふわふわと飛ばすものがあります。たとえばタンポポです。“わたげ”がどのような構造をしているのか気になったので顕微鏡でのぞいてみました。どれも同じではな…

トウヒの虫こぶ

昨日黒姫山を登った職員から面白いお土産をもらいました。 スギの実?、松ぼっくり?と思って図鑑をめくるのですが、なかなか該当するものがありません。海外の種類が黒姫の山中にあるとも思えないし何だろう・・・と思っていたのですが、とうとう謎がとけま…

フキノトウの綿毛

昨夜の雨でまたいちだんと緑が濃くなりました。春早くに咲き出した花はすでに実を付けだしています。9日のオオイヌノフグリに続いてまたタネ話で恐縮ですが、1つ。 タネと綿毛というとタンポポを思い出されるかたが多いかと思いますが、同じキクの仲間で綿…

再生

館の周りを歩いていると、 草陰からカサカサと音がするときがあります。 そういう時はたいていこいつです。ニホンカナヘビはトカゲの仲間で、敵に襲われると しっぽを切って、逃げる習性があります(自切)。 いずれしっぽは再生されますが、骨は再生されま…

生えかわり

ペリカンの解剖をしました。非常に大きな鳥で、翼を広げると270cmもありました。その風切羽(翼のハネ)を標本として残すために1本1本丁寧に抜いたのですが、おもしろい発見をしました。当り前ですが、鳥のハネも生え替わります。しかし、どうやって生えてく…

地層観察会に行ってきました

本日、地質の日関連行事として裾花川沿いの地層観察会を行いました。天候にも恵まれ、美しい景色とともに地層を観察することができました。渋滞もなく、予定よりも少し早く奥裾花キャンプ場に到着したので、ミズバショウを見に行くこともできました。帰り道…

オオイヌノフグリのタネ

オオイヌノフグリと聞けば青くて小さなかわいらしい花を想像しますよね。でも名前がなんとも妙だな、と思いませんか? 実は「犬のフグリ」という似た仲間があって、それより大きな花なので「大」がついたのです。その名のもとになっているのは実の形。写真の…

おしゃれなカエル

ニホンアマガエルは、周りの環境に合わせて色が変えられます。 こいつは境目にでもいたのでしょうか。 こんなにきれいに色を変えられるとは見事なものですね。でも、いつも周りと同じ色をしているわけではないそうです。 実はグレーの色のときが一番落ち着い…

がんばるイチゴ

花壇の端っこでシロツメクサの大群におされながらも、イチゴが頑張って咲かせていました。ミツバチの減少が最近ニュースになり、果物や野菜への影響が心配されていますが、このイチゴは無事、受粉しているようです。花の終わって小さな実になりはじめている…

タマゴ

これまでは魚の卵(答えはシナイモツゴ)や 巻貝の卵を紹介してきましたが、今回は両生類です。昨夜、戸隠の某所にクロサンショウウオの 産卵を見に行ってきました。 残念ながら産卵の様子は見られませんでしたが、 たくさんの卵の塊は見られました。 1つの…

小さな“ほ乳類”

体長6cmほどで、世界でも最も小さなほ乳類の仲間です。この小さな生き物には“ジネズミ”という名前が付いていますが、実はモグラの仲間です。モグラといっても土にはもぐらず、落ち葉にもぐって虫やミミズをエサにして生活しています。ネコにつかまってしまっ…

サカマキガイ

館では、淡水にすむ生き物を中心に飼育展示もしています。 その中には巻貝の仲間もいます。 先日、そのうちのある種の交尾?の様子が見られました。 サカマキガイという外国からやってきた、いわゆる外来生物です。 ゼリー状の卵のうに複数の卵が見えます。 …