戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

方丈記…

先日、来館したお客さまから、メールをいただきました。

感慨深いメールなので、紹介させていただくことにします。

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その節は大変お世話になりました。


バスの時間もあって、

ちゃんとお礼もせずバタバタと出てきてしまった感じで、

翌日帰宅してからもそれだけが気になってメールさせていただきました。


大変に楽しい時間を、本当に有難うございました。

自分は趣味で自然史博物館を中心に色々と巡っていまして、

ここ2、3年で約50館を見学してきました。


戸隠地質化石博物館はネットで存在を知ったのですが、

ホームページにもあるように、交通の便がネックで

行くかどうか正直迷っていました。


そして案の定、バス乗り継ぎに失敗して40分以上歩いたわけですが、

実際の博物館は思っていた以上に魅力的な所で、

徒歩の疲れが瞬時に消えるほどテンションが上がっていました。


校舎の佇まいも合わせて、展示はかなりの満足感がありました。

しかもオオカミの毛皮やバックヤードまで見せていただきました。


これまで色々な博物館を巡ってきましたが、非常に衝撃的な体験でした。


同時にスタッフのみなさん本当に気さくな方ばかりで、

色々お話させていただいて本当に楽しかったです。

帰りのバスの中でずっと思い出しニヤニヤが止まりませんでした。


因みに帰りは無事バスの乗り継ぎが出来、長野駅まで戻れました。


翌日も2館を巡りましたが、一番思い出深いのはやはり貴館です。

また是非とも見学させていただきたいと思っております。出来れば車で…。


スタッフのみなさま、これからもお身体に気を付けて。

魅力的な博物館を造っていただく事を願っております。

影ながら応援させていただきます。

ステキな旅の思い出を、本当に有難うございました。


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いただいたメールを読ませていただき、

なぜか、高校生のころ「古文」で習った一節が思い出されました。



原典は、なんだったかな?

記憶の糸をたぐりよせてみると、鴨長明が記した「方丈記」の冒頭です。



「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。

 淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。

 世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。」




  画像は、春を待つ裾花川の図



この春も、いろいろな方々との出会いや別れがあります。

お客さまからのメールで、こんなことを思い出すなんて春だからなのでしょう。

これからも、いろいろな楽しい出会いがありますように…




高校生の時代、古典を教えていただいた●●先生

暗記ばかりさせられたけど、「古典」って奥深いものですね。

もっと勉強しておけばよかったなぁ…



この歳になって、わかるような気がしてきました。