戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

青とピンクと紫と

先日 珍しい卵だよと頂いたものがあります

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青とピンクの卵です

 

アローカナという品種の鶏のものらしく

調べてみると

チリのAroucanosという部族が後生大事に守ってきた鶏

コロンカ と クエトロ の 交配種だそうです

 

アローカナの原種は産卵数が少ないので 

現在国内で流通しているものは

白色レグホンやら

赤玉系コマーシャル鶏などの交雑種だそうですが

こいつは白色レグホン系のようです

 

原種はもう少し卵の色が濃いそうですが

それでも たしかに青っぽいですね

 

 

食べずにもったいないとも思いましたが

青いのとピンクの1つずつタマゴ標本にして

乾燥させていたのができあがったので

現在 受付で展示中です><

 

 

それにしても

同じ鶏がここまで違う色の卵を産むのは不思議ですよね~

 

ネットで調べて 整理してみたところ

(間違っているかもしれませんが・・・)

殻の色は殻ができるときに色素が沈着して発色するのですが

この鶏ではどうやら

おおもとの物質はプロトポリフィンというもので

これが酵素の働きによって変化していく中で

ポリフィリンやベルビルジンになるようです

ポリフィリンは赤系

ベルビルジンは緑系のようですので

メスの体内のなにかが影響して

働く酵素が変化して

ピンクになったり

青くなったりするようです

(血液由来とか、胆汁由来だとかも書いてありましたが・・・)

 

ちなみにポリフィリンは

縄文から弥生時代にも使われていた

貝紫・ポリフィラが名前の由来となっているそうです

 

一度やってみたかった

レイシガイで染める紫色に

青い卵とピンクの卵が

化学物質でつながるなんて!と

よくわからないけど 

なにかうれしかったりしてる

某職員がいます^^;

(やはり変わり者だよね~って声が聞こえる・・・)

 

ちなみに明日は

柳原交流センターに展示物をもって出張します。

お近くの方はいかがですか~

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普段とは違う感じで出展です><

まぁ 

持っていくものはいつも通りなんですけど・・・