戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

昨日の遠足の出来事!

最近、寒の戻りが続き、一昨日、戸隠では雪が降りました…

 

博物館周辺では、雪が舞う程度でしたが、戸隠山は白くお化粧を…

 

昨日は、休みを利用し、地元の方々と「春の遠足」へ…

 

信濃町からの参加者の車に、朝びっくり…

 

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5㎝近く、車に積もっていました!

 

いやいや、信州はひろいものです。気候が違います。

 

戸隠地区内で、春しか行けない場所を回ります。

 

シンシュウゾウ下顎化石発掘地、

 

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この博物館の原点です。

久しぶりに訪問しましたが、無事に石碑が残っていました…

 

そして、猿丸の集落へ

 

「猿丸層」という長野県を代表する地層の模式地です。

鮮新世後期から前期更新世(約300万年~150万年前のもの)

 

この集落名は、小倉百人一首の中のひとつ

「奥山に 紅葉踏み分け なくシカの

        声聞くときぞ、秋は悲しき…」を詠んだ

 なぞの歌人 猿丸太夫にちなんだものとされます。

 

彼の隠れ住んだ屋敷跡が残る!という場所で、

久しぶりに(20年ぶりか?)行ってみました。

 

ヒトの記憶は、いい加減ですし、

とにかく山が荒れ放題です、道がよくわからない!

 

そんな中、野生のシカに遭遇!

お尻を白くして、逃走していく姿を確認…

 

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この平場が、その屋敷跡とされる場所、

 

近くの高まりには、堀の跡が残ります。

小さな山城として、使われていたようです。

 

雪どけ直後しか、来れない場所…

 

帰りは、道に迷うことしきり… ちょっと難行…

 

その後、戸隠別当「乗因」の屋敷跡に残る「慈倹後の石」

 

 

 

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戸隠別当「慧含」の隠居所「大頭庵跡」なども回りました。

 

江戸時代の戸隠両界山 顕光寺 

別当の足跡が里にも残ります。

 

その途中、骨をひろった方もいました…

 

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焼けたホネです。

 

タヌキ ♀ 若い個体かな?

亡くなって白骨化したあと、焚火で焼けてしまったようです。

 

なんて話をしたら、盛り上がりました!!!!!

 

そして、今が見ごろの枝垂れ桜…

 

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ブルースカイに、淡いピンクの桜が映えていました。

 

遠足のクライマックスにはふさわしい!場所でした。

 

 

戸隠地質化石博物館では、こうした地域の文化財情報も集めています。

 

お気軽に、おたずねください。