戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

終戦記念日に思う!

このところ、雨が続きました。

当館周辺では、約170㎜の雨が降りました。

柴犬館長は、雨が嫌いなこともあって、朝夕の視察は中止!

ちょっと、ご機嫌ななめです。

 

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九州北部や広島では、この何倍もの雨が降り、水害が発生しています。

県内でも犀川千曲川の水位が上昇して、危険になっている場所があります。

 

裾花川や楠川も水量が多く、こわい感じでした。

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裾花川では、ダムの水位調節の結果、一時的に河岸段丘が出現しました。

後背湿地等も見られ、堆積学の教科書のよう…

 

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避難指示がでている場所もあり、

信州新町博物館は、本日臨時休館だそうです。

 

閑話休題

 

先日、市役所から依頼がありました。

北海道在住の方から問い合わせがあり、

戸隠出身の海軍軍人Aさんのことを知りたいとのこと。

 

おそらくは、ご親戚の方からのものだと思います。

 

戸隠村誌には出征兵士の記録があり、出身地がわかりました

ひょっとしたらお墓が残っているのでは、と思い、

かの地でお墓を捜索しましたが不明です。

 

お墓参りの同姓の方にも聞き込みをしましたが、よくわからないとのこと…

 

ちょっと手づまり感がただよいます。

 

 

そこでインターネットで検索、なんとヒット!

鹿児島県の特攻隊の記録を残した平和祈念館にたどり着きます。

 

Aさんは特攻隊として出撃し、戦死したことが判明!

 

それをヒントにさらに検索を続けます!

便利な時代になったもので、芋づる式にわかってきました!

 

Aさんは霞ヶ浦の航空隊出身で、航空兵になったそうです。

 

そして、昭和20年3月、一式陸攻の操縦士として出撃!

その機体には、大量の爆薬を積んだ特攻兵器「桜花」が積まれていました。

 

敵艦に近づくと「桜花」を切り離し、

若い兵士が操縦してロケット推進の高速で

敵空母に体当たりする作戦…

 

しかし「桜花」を積んだ一式陸攻の動きは鈍く、

敵戦闘機の攻撃で、敵空母に出会うこともなく全滅…

 

            との記録にたどりつきました。

 

76年前の太平洋戦争のことは、詳しくは知らないのですが、

具体的な個人の経歴を調べてみると、

生々しい現実の世界だったことがうかがえます。

 

今日も長野県内で土石流災害が発生し、

死傷者がでたというニュースが流れています。

 

戦争や災害では、多くの理不尽な事象が発生し、

多くの命が犠牲となってきました。

 

こうしたことをなくしたい、少しでも減らしたい…

そんなことを思いながら、

今日8月15日を迎えることとなりました。

 

コロナウイルスの感染もさらに拡大しています。

今日の午後は雨が止み、ほっとしています。

ひと段落したものの、まだまだ雨が降るようです。

 

はやり病や戦争のない、平和な時代となることを祈ります。