戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

アルクマのルーツを戸隠で探る…

昨日の続き、この衝撃的な昔のパンフレット…

 

アルクマのルーツともいえる、この内側を紹介していきましょう。

昭和31年に作製された「戸隠スキー場 クマパンフ」と勝手に命名

いくつものモノクロ画像があります。

 

当時を振り返る、赤裸々な記録…

もちろんリフトのない時代です… 「スロープ」との記述があります…

 

 

フーム、当時から家族でスキーなんておしゃれです…

 

 

怪無山のスロープです。

 

この山を歩いて登るのかと思うと、

リフトのない時代はハードなスポーツですな… スキー…

 

戸隠の名産品も記述があります…

 

 

そばは当然ですが、イワナ、笹飴、麻、畳糸、煙草等はすごいなぁ…

 

戸隠から長野までのスキーツアーコースの案内もあります…

 

当時は長野市街地までスキーでくだれたようです。

 

「スキーはいて七曲りを下ったものだ」と、お年寄りから聞いています…

 

除雪をする時代ではなく、雪も多かった時代ですな…

 

同じ袋に、「戸隠民謡」というパンフレットもありました。

 

 

戸隠小唄や宣澄踊りを紹介しています。

 

電話番号2番の甲とは?不思議、不思議…

 

 

あの手、この手で、戸隠を売りに出そう、という断固たる決意が読み取れます…

 

その裏側の地図…

 

笹ヶ峰牧場、日之御子社の位置等が違うような気がしますが、ご愛敬か?

いろいろとツッコミどころがあって面白い…

 

当時の越水ヶ原から見た戸隠山

 

 

当時は、ちゃんと原っぱです。これならどこでも滑れますね…

 

 

この画像、問題があります…いろいろツッコミたくなります。

ザルがちょっと…ここからは大人の理由で、スルー…

 

ここで、昭和37年発行の戸隠村誌から、国立公園に指定されたときの文書を公開!

 

国立公園の指定の理由(原文のママ)

 

一、この地帯は妙高、戸隠 黒姫、飯綱、火打及び乙妻、高妻、雨飾等の形式を異に

 した火山群に囲繞(いにょう、いぎょう)され、したがって地質学的変化に富み、

 我国火山の縮図と申しても過言でない。 

 

一、この地帯は、山岳、高原、渓流等変化ある景観を有し、温泉の連鎖地帯にて、

 四季夫々の特徴に富み、全区域悉く利用対象となり些少なりとも無意味の地域を

 含まない。

 

一、この地一帯は就中冬季に於いて特長を発揮し毎冬妙高高原は多数の外人スキー客

 を迎えているが全区域に亘リスキーに絶好な乾粉雪は二米乃至四米に達し、ゲレン

 デは各所に点在し、これを結ぶ長短自在の山岳スキーコースを安全に設定すること

 ができ、国民レクリエーションとして最適の地である。

 

一、交通の便に恵まれ京浜、名古屋京阪神等の人口密集地と適当な距離に位するた

 め、四季を通じて利用者は多い。

 

一、地域には多数の泉質相異なる温泉を有し、湯量豊富にして俗化していない。

 

一、戸隠地帯には多種の鳥類が群棲し学術的好資料に恵まれ、他方また米国人が特に

 珍重するキジが多く棲息している。

 

一、妙高戸隠国立公園予定地は全地域が国有林であり、所有関係が複雑多岐に亘って

 いない

 

一、全般に開発途上にあるのでこれを国家の指導と監督の下に置き正常なる発展を図

 れば、国立公園指定の趣旨に充分添い得るものと信じる。

 

一、由来日本アルプス北アルプス、頚城アルプス及び中南アルプス等と区分して

 呼称されているが、頚城アルプスは北に接近しており、区域内到るところにおい

 て、北アルプスの大観を指呼の間に望む地位にあります。両アルプスを中部山岳

 国立公園とすることは一層有意義と存じます。

 

一、中部山岳の現区域は自然の威力に制約され、利用期間は極めて、短期間の憾があ

 るから、四季を通じて利用者が夥多にして、野尻湖妙高高原等の国際観光地を

 含むこの地区を中部山岳国立公園編入することは洵に妥当なる方策と信じます。

 

   昭和二十五年二月二十日

                    妙高戸隠国立公園長野県期成同盟会長

 

 敗戦後間もない、昭和23年(1948)、妙高・戸隠周辺地域を国立公園にしようと

 いう運動が、長野市を中心に起こり期成同盟会が発足しました。

 そして、厚生省国立公園部、国立公園審議会等の関係方面に陳情していました。

 

当時の国立公園に関する考え方が、今とはちょっと違うことがわかります。

文章もいろいろと付け足しされていったようです。

しかし、最初は地質、次は地形、3番目がスキーです…

 

そういえば、スキー発祥の地でもありますね、もっと売りに出すべきかも…

 

この辺を頚城アルプスと呼んだのか?これも謎?

 

閑話休題

時代とともに観光地は変化する、という法則が読み取れます…

戸隠の「隠」の字体も様々あります…

どれが正しいのか、こうなるとよくわかりません4!(゚д゚)!

 

コロナ禍でのG.W. 多くのお客さまをおもてなしするために、

今日は「こいのぼり」を飾りました…

 

 

チューリップも満開…

 

 

柴犬館長も期待しています…

 

 

🐕「戸隠へお越しの際は、ぜひお立ち寄りください…」

 

 

🐕「今日は、ブログが長すぎじゃ、いつもの倍の量ぞ…」

 

🐕「ワシは、秘書を働かせて、ゆっくりとG.W.を満喫じゃ…」

 

秘書的には、今日もおあとがちょっとよろしくない感じでした…