今朝は良いお天気
そのせいか 朝から お客様が来館!
週の中でも1,2を争うほど
来館者の少ない水曜日に!
ありがたいことです^^
そして
そうそうに
まさかの
その弐^^;
今日はこちら

右手は 城山動物園でも飼われているので
みなさまも見慣れた フンボルトペンギン
色あせして 皮も破れているので 修理が必要
しかも 産地不明 なので部分的に保存かなとか思っている資料
で 今回の主役は 左のとり
わかる方はどのくらいいるでしょうか?
おそらく 意図的に
あえてこのポーズなのかなとも 思いますが
普段はここまで足を延ばしてはいないかな~
この鳥は空も飛べるけど
ペンギンのように水中も泳ぐ
そのために 足は後ろの方についており
立ち姿は ペンギンそっくりです
でも
ペンギンの仲間ではなく
チドリ目 ウミスズメ科の
ウミガラスという種類になります
(もちろん知っていてもらってきたものです)
国内では限られたところにしかいないので
希少種指定の珍しい海鳥です
しかも
この剥製は 一大繁殖地である 海豹島産 です
今は樺太に所属している島です
採集日は大正14年8月であるらしいので
100年ほど前の代物です

海のない長野県に海鳥の標本
この辺もいろいろあった時代の名残ですね
今回 撮影のために
少し掃除をしていると
羽根の間からなにかがのぞいているのに気づき
とりだしてみました

特許 虫よけの王 ホドヂン錠 だそうです
調べてみると
創業100年を超える会社 保土谷化学
保土谷曽達株式会社が製造し 株式会社金星商会が販売した
防虫剤でした
ちなみに
ホドヂン錠の紙箱やブリキの箱などは
オークションサイトにでていました^^;
袋はさすがに見当たらなかったけど・・・
この商品は軍隊御用達の商品だったそうで
毛皮製品もOKだったようです
袋には穴が開いており
袋から出さずにそのままで
効果ありってやつだったそうです
薬剤は パラジクロロベンゼン
今でも防虫剤として使用しているものでした
保土谷化学ではホドヂンは30年ぐらい前に
製造をやめたようです
ネットで軽く調べた限りでは
大正時代のこの辺の情報は会社の方でも持ってない可能性も・・・
昭和2年に開発 4年に販売を開始とか書かれているところもあった
でも その前に使われているので 齟齬がありそう
この剥製では羽根にはさみこんで使用したようです
おかげで
袋もはく製の中で保存されてでてきたという^^
古い剥製にはいろいろな物語が隠れているようです
他には こちら

シロハラミズナギドリのはく製です
ラベルによると

昭和36年9月17日に
そのせいで迷い込んだのではと書かれていました
規模の大きな台風で
室戸台風と同じようなルートだったため
第2室戸台風と呼ばれたようです
日本海に抜けたらしく
県内の被害はあまりなかったようですが
長野は台風のルートの右手にあたり
風は強かったのでしょう
巻き込まれたミズナギドリがいても
おかしくはなかったと思います
こうした資料が記録付きで残っていることはありがたいです
そして
寄贈標本の整理はまだまだつづくので
その参も きっと・・・
当館は常に変化する自然の記録を残すのも役目ですので
変なものを見かけたら博物館にご一報ください
そして
過去の記録も残せるものは残したいと思いますので
すてる前にはお声がけください
全ては残せないかもしれないけど・・・
今回のホドジン錠の袋も
1F廊下の戸棚にでもいれておきます