戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

ワラから 骨まで

今日も 良いお天気でしたが

静かな一日^^;

 

午前中は 昨日同様 週末の準備

しめ縄用のワラをすぐる作業

明日明後日でたたいて

仕上げたいと思います

 

午後は洗ってきれいになった骨の整理を少々

 

鏡池のソバでが

冬眠が終わったくらいの時期に親とはぐれて

なくなった赤ちゃんツキノワグマの♂の骨の整理です

 

 ツキノワグマは着床遅延という

 胚発生の進行を止める技を持っていて

 夏までに交尾をしても すぐには進まず

 ちょうど冬眠中に出産し

 ある程度大きくなったころに

 冬眠が終わるというタイミングで

 胚発生を進行させます

 

胴長53㎝ 4.4キロという小さいクマ

赤ちゃんグマといっても そこはクマ

他の在来の動物たちと比べたら大きいです

タヌキやアナグマなどでは4㎏もあれば 立派な大人です

 

末節骨(いわゆる爪)を見てみると

1マス5㎜のノートに置くと

小さい爪でも1㎝以上

大きいものは2㎝を越えます

赤ちゃんでもこれです!

 

爪がウリのアナグマでは

一番大きくても1.5㎝強

大人のものでもこのくらいです

 

キツネの成獣でも

(いろいろ混じっててすみません><)

1.5㎝あるカナ?ってところです
 

やはりクマは在来動物の中では

別格に大きいですね

 

この子はオスだったのですが

オスだけの骨もありました

あかちゃんグマの 陰茎骨 です

3㎝ないくらいです

イタチならこのくらいでも大人サイズ^^;

 

ちなみに 博物館にある 最大のツキノワグマのものは

180㎝150キロあったオスのもので 

(下の画像右側です)

13㎝ほどあります

比べると結構違いますね

 

ちなみに

陰茎骨はクジラ偶蹄目を除けば

かなり多くの動物でもっているのに

私たちは失くしてしまった骨

(多くの霊長類も持っています)

(万一心当たりのある方がいたらご一報ください)

 

そして

いろんな動物の陰茎骨コレクションも

骨部屋に展示してありますので

興味のある方はじっくりみてみませんか?

 

こんなことを言っては何ですが

冬の時期は人が少なくていいですよ^^

寒いけど・・・