戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

その後のできごと

梅雨があけないまま、夏休みが始まった学校もあるようです。

足元の悪い中、ご来館ありがとうございますm(__)m

 

昨日ご紹介した、アリによるアブラムシ用シェルター。

今日見てみたら、ちゃんと修復されていました。

同じものに続けて手をだすのは さすがにしのびないので、

お隣さんにちょっかいを出しました。

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確かにいました、アブラムシ!

アリにとって、手間暇をかけて守るべき存在なのかと思うと、

なんとなく、尊いものに見えてこないこともないかも・・・^^;

 

さて、1週間前にご報告したツバメの巣では、今日抱卵が確認されました。

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多目的室の中からよく見えます。

一応、こちらを気にするそぶりをするので、

驚かさないように気を付けて観察してみてくださいね^^

うまくいけば、2週間ほどでヒナが孵るそうです。

無事に巣立ちまで迎えられることを祈ります。

 

じつは、「その後」を期待するのが難しいものも持ち込まれました。

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カルガモの卵です。

鶏卵サイズでけっこう大きく、殻も厚くて驚きます。

近くの田んぼに巣があり、中に9個も入っていたそうです。

親の姿がみえなくなってすでに10日ほどたつとか。

キツネに襲われるなど、親に何かあったのかもしれません。

持ってきて下さったおじさんの希望で卵器で温めていますが、

今からでは、おそらくヒナは孵らないでしょう。

今後の積極的な利用としては、卵の標本でしょうか。

もう少し、ようすをみてみたいと思います。

 

思わぬ発見

お隣の公民館へでかけた職員が、館の入り口近くでみつけたのは

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ヨモギの茎に土くずがびっしり・・・

 

こういう ちまちましたことは、アリの仕業じゃないかと

一つ崩してみたところ、

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出てきました! やっぱりアリです。

引っ越し用の仮の巣でしょうか? 

わざわざ土を茎にはりつけてつくるなんて、不思議です。

 

調べてみたところ、思わぬ情報を得ました。

植物の茎につくアブラムシからアリは甘露をもらうことが

よくあるのですが、

大事な餌を供給してくれるアブラムシを、

外敵になる寄生蜂などからまもるために、

アリがシェルターをつくることがある、というものです。

写真をよくみると、

アブラムシらしいものが写っている写真もありました。

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そこまでしてわが物にしたい、アブラムシの甘露。

よっぽどアリにとって魅力的なんでしょう。

小さな生き物にも驚きの世界、です。

今日はアブラムシをきちんと確認するまえに雨が降り出してしまったので、

明日、また見てみたいと思います。

 

アリのシェルターを見に行って、じつはもう一つ発見しました。

館の入り口の石の門柱が、

皇紀二千六百年記念」で建てられたものだったということ。

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昭和15年のことです。

ちょうど今のN〇K大〇ドラマの時代です。

日本全国で盛り上がっていたのだと実感しました。

歴史を感じます。

 

こちらも梅雨の花盛り

なかなか梅雨があけないですね(+_+)

 

先日、菌から栄養をもらっているオニノヤガラ

飯綱高原で大量発生していることをお伝えしましたが、

じつは、そのすぐ近くでこんな植物もぞくぞくと顔をだしていました。

 

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まだ咲いていませんが、ベニバナイチヤクソウに見えます。

ただし、根元をみても、葉っぱがありません。

イチヤクソウの仲間も、光合成をしつつ、

菌から部分的に栄養をもらっていることが知られています。

菌への依存度が高いと、こんな姿になるのかもしれない、

と想像して、花が咲くのを待ちました。

 

そして3日後。

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やはりイチヤクソウの仲間のようですが、

花弁が普通5枚のところ、10枚以上にわかれているものもありました。

不思議です。

 

いろいろ調べてみたところ

花は赤いですが、ベニバナイチヤクソウではなく、

普通のイチヤクソウの変種であることがわかりました。

その名は「ヒトツバイチヤクソウ」

やはり菌への依存度が高くなったもので、

葉がないものから、小さな葉が1~2枚でるものまで様々だそうです。

葉の形態はイチヤクソウのもので、花期もベニバナイチヤクソウより

一月ほど遅く、イチヤクソウの時期に一致します。

 

みつけたときは仲間たちと、新種じゃないの!?

なんて話をしていたので、ちょっとがっかり・・・^^;

ま、そうそう新種は落ちていないですよね。

 

場所として新発見だったのは、

近くのバードライン沿いの戸隠古道の一部で花畑が見られたこと。

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イブキジャコウソウの花盛りでした。

一帯が「飯綱原(いいづなっぱら)」と呼ばれた

開けた草地だったときの忘れ形見です。

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日本にはえる野生のタイムの仲間なので、

葉っぱをもむといい香りがします。

明治時代の紀行文にも、戸隠に向かう途中、

この花畑をふみわけて通るので、一帯が香っていた、

と記されています。

尊敬する明治の植物学者さんの追体験ができて、

すっかり舞い上がってしまいました。

 

青いカエルとカブトムシ

先日開催された 植物観察会で

植物以外の収穫があったそうです

 

久しぶりに出勤して びっくり!

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青い!

アマガエルです

 

いや~ かわいい^^

小さな虫をあげると

よろこんで食べております

 

来館の折にはエサ取りして

あげてみませんか?

 

そして

もう一つ ビックリ!

 

3連休前は全然かえらないな~と

実は少々あきらめかけていたところ^^;

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連休明けたら

オスばかり30匹かえっていました><

衣装ケース3つで 5、6、19匹!

 

しかも

夕方 廊下で 2匹ひろったので^^;

脱走している子もいる始末・・・

 

来館の折には

館内にカブトムシがいるかもしれないので

さがしてみてください><

 

ちなみに

この子たちは戸隠の子なので

後日 裏山に帰す予定です

 

帰す前ならお分けできますよ

ここのように脱走しないように飼うことが条件になりますが・・・

世界から拾い集める…

2週間ほど前の話ですが、

地元の方々と、荒倉山の秘境をたずねました。

 

「牛の鼻」という穴があり、そこにはお宮がある、

かつては、お神楽をあげていた…との話です。

 

これは、行ってみないといけないねぇ…

ということで、戸隠の有志の皆さんと行ってみました。

 

ありました、ありました。

 

30分ほどでいけるとのことでしたが、一昨年の大雨で崩れており、

沢登りのような状態で、たどり着きました…

 

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凝灰角礫岩だけでなく、こうした円礫岩も見られます。

なかなか複雑な地質です。

 

 

お目当ての「牛の鼻」に到着!

凝灰角礫岩の絶壁に、直径3m程のきちんとした丸い穴があいています。
ふしぎだなぁ…

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いった、みんなで記念撮影…(^^)/

 

ここからの眺めは、こんな感じ!

博物館はみえませんが、その南にある公民館がばっちり見えました。

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その帰り道、一緒にいった同僚がひろったのがこのビン!

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すごいです、なぜここにキリ●レ●ンの(340ml)完形品が落ちているのでしょうか?

1970年代のものでしょうか?

拾った方がうらやましい! なんという幸運なのでしょう!

今では人もいかないような場所ですが、
昭和という時代には、人がこのジュースを飲んだ場所だったということですね。

 

 

 

へんなものが落ちていた、この穴のことを調べていたら、

江戸時代後期の本にそれらしい記述がありました。

 

「コレモチイヌキノ穴」

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鬼女紅葉を征伐した「平維茂(たいらのこれもち)」が矢で射抜いた穴、

ということでしょうか?

 

牛の鼻は、この伝説の穴の位置とほぼ一致します。

「これかもしれないよね」と考えています。

 

 

閑話休題

ビンつながりのお話です。

昨日、ダニの研究で有名な先生からいただきました。

スペインのバルセロナでの国際学会のお土産とのこと…

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セルベッサ(スペイン語でビール)のビン、

なんとポリエチレンテレフタレート(P.E.T.)製の1リットル瓶…

 

日本ではみたことのないビンなので、いただいてまいりました。

中身も味わいましたが、軽めですっきり!

スペイン=ワイン大国かと思っていましたが、

 

さすが灼熱の地、

バル(酒場)では、まず冷えたセルベッサなのだ、そうです。

安くて、おいしい…とのお話です。

 

戸隠もひろいが、世界はひろい、

お話を伺って、まだまだ知らない世界があることを実感しました。

S先生、ありがとうございました!(^_^)v

 

荒倉山の穴からはじまり、ビンとのつながりで、世界が見えました!

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なかなか、世界は面白い。

 

柴犬館長はこの間、お留守番…

彼女も行きたかったようで、

「フンっ!自分ばっかり遊びに行きやがって…」と、

ちょっとご機嫌 斜めでした!

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初のこころみ

連休の中日

こどもむけに、植物の標本づくりを行事にしてみました。

この館では初のこころみです。

 

まずは材料になる植物採集。

根まで標本にするのが基本ですので、

みなさん頑張って掘ってくださいました。

ネジバナが意外に根(根茎)が太くて驚きでした。

(写真を撮り忘れました 残念><)

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普段は雑草扱いの小さな草花もよく観察してくださって、

職員が思っていた以上に多くの種類が集まりました。

スズメバチの巣もおかげさまで早い段階で見つかりました^^)

 

泥を洗い落として、午後は標本づくりです。

名前を調べて新聞にはさんでいきました。

今はスマホでも名前を調べられるので便利ですね。

本式の標本は家で一週間ほどかけて乾かしてもらいます。

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ほかに、タイルに挟んだ状態で電子レンジで乾かす

押し花づくりも体験してもらいました。

大きいものはつくれませんが、

すぐできる、色が残りやすいという長所があります。

 

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思い思いにレイアウトしていただきました。

 

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図鑑風の作品は、そのまま博物館に展示させてもらいたい^^

 

しぶい行事だと思っていましたが、

参加されたみなさんのおかげで、

自由研究や展示につながるヒントをもらえました。

実際にやってみる というのは大事ですね。

 

☆おまけ

昨日でかけた飯綱高原の一角で、

オニノヤガラの群生がみられました。

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菌類(ナラタケ)から栄養をもらって花を咲かせる

菌従属栄養植物のランです。

シラカバの伐採木をつんでいる場所から40本近くでていました。

雨続きで菌が活性化して、ランにまで影響を与えたのでしょうか。

はじめて見る光景に、本来の目的を忘れて大興奮してしまいました^^;

 

こんな場所に!

調べものに本を探していたところ

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本の隙間になにかある・・・

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本をどかしてみたところ

大豆やトウモロコシがたくさん><

 

これはいわゆる

貯食ってやつですね^^;

 

犯人はどうもハツカネズミさんのようです。

ワナをかけて捕獲を続けていますが

なかなか敵もさるもの

 

そしてずいぶんできあがったものが

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ツバメの巣です

このタイミングで作り始めました

 

実はこの巣 観察するにはうってつけ

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多目的室の外ポーチに作っているのです

ご飯を食べながらツバメの様子が観察できるという

ツバメ好きにはたまらないシュチエーションです!

 

さぁ みなさまも企画展をみて 

お昼になったら 多目的室で

ツバメの巣作りを観察しながら

お昼ご飯でもいかがでしょうか?

 

ただし お昼はご持参ください

この周囲に食料を調達できるお店は

ありませんし

館に人用の貯食はございませんので^^;