戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

ウィンナーのなる木?

今日は足元の悪い天気の中、地元のデイサービスを利用されているお年寄りのかたがたが来館してくださいました。
当館は小学校を利用した博物館なので、デイサービスの職員さんも含めて、皆さんなじみの建物。昔の学校の資料を集めた部屋で懐かしみ、また、学校から博物館へ大きく変身した展示室では驚き、と楽しんで下さったようです。
「地元のシンボルとしての博物館」としての位置を改めて教えていただきました^^


さて先日、地元の自然に詳しいかたから教えていただいた、秘密のキノコ採集スポット。
そこには、キノコだけでなく、、、
こんなものも地面から顔を出していました。


6〜7cmくらいの赤いウインナーのようなものがびっしりついています。
じつはこれ、「ツチアケビ」というランの仲間の植物。赤いのは実です^^;
去年も地層見学コースで見かけたことはあるのですが、
この実の多さには正直、驚きを通り越して少々不気味…

この植物は自分で光合成をせず、栄養をキノコの仲間からもらっているので「腐生植物」といわれます。
ツチアケビの場合はナラタケの菌糸を溶かして栄養にしているそうです。
そう思うと、不気味さも倍増…
(キノコ採集スポットにはえている、というのも納得・・・)


しかし、試しに実をわってみると、ランにしては珍しく果肉があって、さくっとさけるような手ごたえ。

この目立つ色に誘われて、動物が実を食べるとも言われます。
ここは一つ勇気を出して、少しだけ口に入れてみると、、、
ちょっと甘みがあって、いやな味はなく、結構いけます。
(残念ながらキノコの味はしませんでした^^)


まったく、生き物の世界は奥深いです。