戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

赤い花・・・

サクラもすっかり散ってしまい、寂しいなと思いながら外を見ると、
ひっそりモクレンの花が満開になっていました。


大きいのに目立たないのは、赤というよりは、えんじ色のせいかな?


中をのぞくと、雄しべの束から花粉が出ています。


モクレンの仲間は、進化の歴史上、実をつける「被子植物」の中では、
古いタイプと言われています。


その証拠がこの雄しべや雌しべたち。
それぞれの花で数がまちまちなのだそうです。
花の構造がしっかり決まっていないと言えます。



こちらも今満開のモミジの花。


小さいですが、雄しべの数が8つと決まっています。
モクレンよりも進化した花ということに・・・



古いタイプの花のほうが、大きくてがっちりしているのも
なんとなく不思議な気がしますが、
今見られるものでは、ということで、
本当に最初の花は、きっと小さいものだったのでしょうね。



似たような色で、さらに地味な花が隣に。


スイバの花です。これも現在満開^^;



オス株とメス株が別々で、写真のはメス株の雌花です。


スギのように花粉が風で運ばれるので、
ハチへのアピールがなく、花はとっても地味。
でも、よく見ると雌しべの束がイソギンチャクみたい?
できれいかと^^


花は子孫(たね)を残すための大切な器官。
それぞれの花に、進化の歴史あり、ですね。