戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

化石をとるときの副産物

化石採集のときは、化石の他に鉱物がみつかることがあります。このようなことも、化石採集のときの楽しみの一つです。
数日前、化石の入っている母岩の中に、柱のような形で黒っぽい鉱物が入っていました。

この写真では、一目盛りが一ミリメートルです。結晶面がきれいにみえています。これは、輝石(きせき)という鉱物です。これほど大きな結晶が拾えるのは珍しいそうです。
地層は、川が砂や泥を運搬して、それらが堆積することでつくられます。この地層をつくる砂や泥の鉱物の種類は、川が削りながら流れてきた地質の種類によって変わります。今回、輝石がみつかった岩石は、輝石が入っている火山性の岩石(例えば、安山岩など)を浸食して、運搬されて、堆積したものです。では、どこからこの輝石は流れてきたのでしょうか?
そんなことを考えるだけでも、楽しいものです。次回の化石採集会のときは、化石はもちろんのこと、このような鉱物にも注目してみてはいかがでしょうか。きっと、地層をみる楽しみがふえると思います。