戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

カーボランダム

化石のクリーニングをするときに使っている釘を研ぎました。このように釘をみがくときには、研磨材として鉱物がつかわれています。その材料の一つは、カーボランダムです。カーボランダムは、炭素とシリカからつくられる人工鉱物です。これはとっても硬いので、粉末にして研磨材として使われています。

では、硬いというのは、どのくらい硬いのでしょうか。鉱物の硬さを表すときは、「モース硬度」というものが使われます。ドイツ人鉱物学者であるモースが考案したものでしたので、その人の名前をとってこのように呼ばれているのです。これは、鉱物同士を引っかきあうことより、鉱物の硬さの程度を表すというものです。カーボランダムのモース硬度は9.5です。コランダム(鋼玉)が9、ダイアモンドが10ということですから、カーボランダムはコランダムとダイアモンドの中間の硬さということになります。ご存じのとおり、ダイアモンドはとても硬いので、カーボランダムの硬さが分かると思います。博物館には、カーボランダムの人工結晶もおいてあります。鉱物は、その輝きや結晶の美しさなど魅力あふれるものですし、資源としても私たちの生活には欠かせない大切なものです。来館の際には、化石だけでなく、鉱物も見てみて下さい。

ただ今、春の企画展「昔なつかし学校教材」が開かれていますが、そこにモース硬度計が展示してあります。この企画展は、明日までとなっておりますので、ぜひご覧下さい!!