戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

七二会産クジラ化石の搬出作業風景

こちらの博物館には、長野市の七二会産のクジラ化石があります。1999年に腰から尾にかけての背骨が八個つながったものが見つかりました。このようなものが見つかることは、長野県では珍しいとのことです。
今日は、この七二会産のクジラ化石のレプリカ(複製)をつくるため、業者さんによる搬出作業がありました。大切なクジラ化石を壊さないように、慎重に白い布でくるみ、厚手の毛布や空気の入ったプチプチのシートを敷き詰めていました。とても繊細で丁寧な作業でした。

私は、このような作業風景をみるのは初めてでしたので、とても興味深く見学しました。骨をパーツごとにばらして、梱包するわけですが、持ち帰った後、ばらしたものを元に戻さなければなりません。そのための設計図として、化石の写真を様々な角度から撮影したり、スケッチしたり、パーツごとに番号をつけたりするといった工夫がされていました。パーツから元の化石にする作業は、パズルのようで難しそうでした。このような作業は、知識と経験が必要な職人技です。

このような珍しい風景がみられるのも博物館ならでは。色々なできごとに感動し、毎日が勉強です。このブログをみて下さっている皆さんも来館すれば、このような普段みることのできない作業風景をみることができるかも知れませんよ!