戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

春の大型連休 スタートです!

今日からGWが始まりました。

さい先よく、多くのかたのご来館があり、ありがたい限りです。m(__)m

 

今日は今年度最初の植物観察会の開催日でもありました。

今年は今回も含め、4、5、6月の3回は

飯綱高原ユウスゲ自生地の保全活動をお手伝いします。

 

ユウスゲゼンテイカニッコウキスゲ)に近い仲間で、

7月下旬ごろから咲きだします。

 

今日は、株のわきに棒を立てて、マーキングです。

テープに番号をつけて、株数を調べるのですが、

この棒が、この場所でワラビ採りをする人による

ユウスゲの芽の踏みつけ防止にも役立ちます。

 

去年の秋に機械で草刈りをしてあるので、

現状は非常に見晴らしがいいです。

色々な植物が顔を出してきた中から、

ユウスゲの芽を探して、旗を立てていきます。

 

 

なかなか広いですが、1時間半ぐらいかけて

数100本の棒を立てました。

(水曜の下見とあわせると、500本以上は立ったはずです)

 

今日は気温が高めだったこともあり、

ほどよい汗をかきました・・・(^^)/

 

ゲレンデに咲くオオヤマザクラの満開の花や

 

足元の小さな花、春植物のヒメニラやヤマエンゴサクが

そんな私たちを応援してくれているようでした。

 

 

さて、このユウスゲについては、

保全活動をされているかたから、

花が咲く前に、似ているゼンテイカと区別がつかないかと

相談を受けていました。

 

図鑑には葉の幅の違いなどが掲載されていることが多いのですが、

現地で観察すると、

小さい株では特に識別が難しいことがわかりました。

 

また、ゼンテイカは根に紡錘状のふくらみがあるが、

ユウスゲにはない、とも図鑑には記されています。

今回はせっかくなので、

シャベル持参で根の様子を観察してみることにしました。

 

 

まず、図鑑に紡錘状のふくらみがあるとされる

ヤブカンゾウゼンテイカ

確かにふくらみを確認しました。

 

そして本命のユウスゲ・・・

 

 

やや! ふくらみがありますね・・・^^;

2株掘ったのですが、若い株に特にふくらみが見られます・・・

 

ユウスゲを栽培しているかたからの情報では、

図鑑にはないとされる紡錘根は、ユウスゲにもあるが、

根の色が黄色いので、わかりやすい、とのことです。

 

そこで、ゼンテイカユウスゲの根を並べてみました。

 

たしかに・・・

ユウスゲのほうが黄色みが強いように見えます・・・

 

掘った株は、間違いなくユウスゲかどうかを確認するため、

お持ち帰りで栽培することになりました。

 

マニアックなところからスタートした今年の植物観察会ですが、

変わらず、どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m

 

ちなみに、5月25日(土)は生育場所が競合するワラビの抜き取り、

6月22日(土)は外来植物の駆除を予定しています。