戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

意外と長生きな虫

先日どういうわけか、
ムクドリが入口横の水道の排水口に
引っかかって死んでいました。
気づいたときにはすっかり骨になっていたので
引き揚げて、乾燥させていました。


そろそろきれいにしようと思い、
ソーティング作業をしていたら
この子たちが巣くっていました。


銀色のボディ!
無駄のないフォルム!
写真ではそのカッコよさを十分お伝えできませんが
彼らはシミの仲間です。
(おそらくセイヨウシミと思われる外来生物です。)


シミといえば、害虫のイメージが強いかもしれませんが
野外では、乾物や木の樹皮などを食べています。
つもり、死んだ生き物を土にかえす一面ももっています。

びっくりなのは小さな虫の割に寿命が長く、
8年も生きる長生きなところです。
しかも小さなころから形は変わらず、
脱皮を繰り返して大きくなる昆虫で、
一生脱皮をし続けます。


自然史系の博物館としては、
(標本や書物を食べる)害虫でもあり、
(標本を作ってくれる)益虫でもある
少々扱いが難しい生き物の一つですが、
同じ生き物としてうまく付き合っていきたいと
思っています。