戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

秋晴れに誘われて

今日は1日雨模様でしたが、昨日はさわやかな秋晴れが広がりました。
個人的に仕事が休みだったので、
地元の新聞紙面に掲載されていた、
戸隠の新たな不思議景観を求めてスキー場へドライブ。


おぉ〜〜〜〜!! あったあった!!

草原に並ぶインディアンのテント!?(^^)


一面にはえていたススキを刈って、束ねて乾しているところです。
カヤぶき屋根の材料として、今年から売り出すことになったとか。
今まではスキー場としての維持管理のため、機械で刈って枯らすだけでした。
手間はかかりますが、資源の有効活用ということで、いい取組みだなと思います。
(こんな面白い景色も見られますしね)


さらに、お天気に誘われてか、昨日はこんな虫が現れました…

体長4mm足らず(触角は除いて)の、小さな小さなハチ。
人を害することはありませんが、ある生き物にとっては致命傷です…
実はこのハチ、もとをたどると、
職員が購入したキャベツについていたアオムシから現れたもの。


「キャベツの葉をむいたら大きなアオムシが出てきたから、容器に入れてしばらく飼ってみたんだけど、ある日元気がないなと思ったら、アオムシの体から小さなウジムシみたいなのが何匹も何匹も出てきて・・・・・・(キャ〜〜〜〜・・・!!)」
(想像しただけで寒気が^^;)
その小さなウジたちがマユを作り、アオムシの体がすっかり干からびたころに、
現れたのが、上のハチ、というわけです。


名前はアオムシコマユバチ。寄生バチの仲間です。
アオムシがまだ小さいときに、ハチがその体に卵を産み付けたんですね。
体の中を食べられつつ、成長するアオムシさんの心境やいかに・・・
(「はらぺこあお○し」がブラックジョークになってしまう^^;)
でも、こうして天敵がいることで、アオムシが増えすぎずにバランスがとれているんでしょうね。
この寄生バチにさらに寄生するハチもいるそうですし。
私たちが普段意識もしないところに、いろいろな物語があるようです(しみじみ・・・)