戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

あすなろ 翌 檜 アスナロ

先日から始まった企画展「木の葉石の世界」では、

長野県内から発見された植物化石を展示…


その中で、別所層産のアスナロと思われるものがありました。

約1500万年前の化石です。



そこで、敬愛している保科五無斎先生が植えたという、

アスナロの一部を大●島小学校から取り寄せてみました。



どうでしょう。とても似ています。



古くから、県内に自生していたのですね。




「明日はヒノキになろう…」の歌詞で有名なこの木、

そのルーツをたどっていくと、かの有名な枕草子に行き着きました。


第40段の中に登場

あすはひの木(アスナロ)、この世に近くも見え聞こえず。
御岳(みたけ)に詣でて帰りたる人などのもて来める、
枝ざしなどは、いと手ふれにくげに荒くましけれど、
なにの心ありて、明日はひの木とつけけむ。
あぢきなきかねごと(予言)なりや。
誰にたのめたるにかと思ふに、聞かま欲しくをかし。




やるなぁー 清少納言。こんな記録を残しておいたとは…

もっと古典を勉強しておけばよかったかなぁ、


今となっては残念無念…   


いとをかし。