戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

木の上の

昨日の銀杏ではないですが、

葉が落ちた枝にも彩りはあるもので・・・


サクラの木にツルウメモドキの赤
つるがまきついて、かなり高いところまで伸びていました。



シラカバの木の上の黄色い実は、
最近気が付いたホザキヤドリギです。


寄生植物で、宿主の木から栄養をもらっています。
普通のヤドリギは常緑の葉を冬でもつけていますが、
こちらは葉を落とすので、実がよく目立っていました。



そんな高いところばかり気にしていたからか、
地上からは見えない場所の植物がやってきました。


中社の御神木のてっぺん近くにあったという
ヤシャビシャク。
野生のスグリの仲間です。


先日ご紹介した御神木のスギの枝払いで、
朽ちつつあった枯れ枝のうろから生えていたものを、
土台の枝ごと、レスキューされました。


ブナやスギの巨木の上に、ごくまれに生えることがあって、
出会えたらかなりラッキーとされる小さな木。
寄生しているわけではなく、
うろなどにたまった落ち葉を栄養に成長する着生植物です。


こんな機会がなければ、だれも気付くことのなかった
天空の住人。
春にどんな姿を見せてくれるのか、楽しみです。