戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

弥生になりました

今日も春らしいお天気になりました。

雪解けが一層進みます。

例年より2週間以上は早いなあ、と思います。

 

予想では、4月のはじめには長野市内で桜が開花するとのこと…

昨年11月3日に植えた、例のオオヤマザクラも、注意深く見ていきましょう。

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今日は、こんな感じです。

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いろいろと発見がある、博物館の日々ですが、

こんなものもあった、という珍品をご紹介しましょう。

 

茶席で、花を飾る【花活け】なのですが、

砲弾を使ったものです。

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「戦勝記念」

「〇塞船材片?」という焼き印が押してあります。

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これは日露戦争の記念品…かも…

 

詳しく調べてみると、

案の状、旅順港閉塞作戦の船の甲板と

ロシア軍が使ったホチキス社製の37㎜砲弾でつくったもののようです。

 

この作戦は、「坂の上の〇」という小説にも登場します。

広瀬中佐と杉野兵曹との逸話で、有名です。

 

その甲板の材には、フナクイムシ(ムシといっても二枚貝の仲間です)が

食い荒らした跡もあり、海の中に沈んでいたものであることを物語っています。

 

こんな、100年以上も前のものが残っているなんて、

戸隠というところは侮れない場所だと、痛感しました。