戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

雪ぶかい

今日も雪のお話、

モノトーンの世界になりますがご容赦くださいm(__)m

 

昨日、小谷村のスノーシューの会に参加してきました。

目指すは雨飾山のふもと、ブナ林で有名な鎌池です!

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4月になってからのまさかの雪続きで、新雪が50㎝追加され、

前を行く男性3人のラッセル隊が、

交代で道をつくりながら進む、という厳しい状況でした。

これには、ベテランの会のかたがたも苦戦。

 

もともと戸隠神社の参道沿いの、

傾斜のほとんどないところでしか

雪の森を歩いたことのない私にとっては、

雪山を 登る! 下る!! 山歩き! !!

じたいが初体験^^;

しんどさも、新鮮さと好奇心で何とかカバーし、

予定の行程を無事に歩ききることができました。

 

そもそも、今回参加したのは、雪の時期でないと近づけない

巨木に会える、という情報をいただいたからです。

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ドロノキ(ヤナギの仲間)です。幹回りが6mを超えるとのこと。

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雪がもっと少ない時に、はかってみたい!

迫力あるどっしりした姿。感動しました。

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周りには別のヤナギの種類(コゴメヤナギかシロヤナギ?)の大木が点々と。

すばらしい景観です。

 

さらに、地元のかたからは、歩きながら、

付近の歴史についてもお話を聞くことができました。

明治時代に、鎌池近くから、ふもとの町まで、

16㎞にもなる「せぎ」(水田用の用水路)がつくられたこと。

 

小谷温泉から鎌池あたりまで、戦後から昭和40年ごろにかけて

紙不足を補うために、山の木がすっかり切りだされたこと。

今見られるブナ林は、そのあとに成長した木からなるそうです。

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(このあたりのブナは、樹皮の色が灰色が濃いようです。

 これも不思議・・・)

 

一日、貴重な経験をさせてさせていただきました。

案内をしてくださり、一緒に歩いてくださった会のみなさん、

特にラッセルをしてくださったかたがた、

本当にありがとうございました! 

お疲れさまでしたm(__)m

またぜひご一緒させてください。

日差しは春らしい!

今朝も積雪しました。標高920mでは約5㎝ほど。

戸隠神社周辺では積雪10㎝を超えたのではないか、と思います。

4月というのに、毎日雪の話題ばっかりで、すみません。

今朝はスリップ事故?と思われる渋滞もあり、気がめいります。

 

そこで、午後には日差しもでてきたし、

8月に当館で、博物館実習をしたいという若者がやってきたので、

フィールドに出ることにしました。

 

気になっていた、裾花川沿いの地層観察ルートをチェック!

ここは、戸隠でも最も標高の低い地域、

雪もすっかり融け、あたたかな日差しが注ぎます。

 

裾花川にも、きれいな雪解け水が流れています。

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河川の蛇行を上からみることもでき、水の流れの違いが一目瞭然!

侵食・運搬・堆積作用を勉強するのに、最適な場所!(^_-)-☆

 

地層観察のルートも、崩落した土砂が片づけられており、

じっくりと地層を観察できるようになっていました。

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今なら、地震で崩れた土砂の断面も観察可能です!

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専門用語でいえば、「崖錐堆積物」となります。

第三紀末の海成砂岩や凝灰岩を主体とする不淘汰角礫や岩塊を大量に含む、

固結の悪い堆積物、

斜面に沿って重力の影響下で堆積したと思われる、といった具合でしょうか?

 

重機で削ってもらい、こんなものをみることができました。

ありがたいことです。

 

このコースは、「地質学はすべての学問の土台である!」と説いた、

保科五無斎の時代から、長野県を代表する地層の観察ルートとなっています。

長野県の地学教育の場でもあるし、

海だった信州が隆起した、という大地の歴史を学ぶとともに、

信州の魅力を再発見する場でもある!と思います。

 

学芸員になるために実習を受ける学生さんと、

一緒に歩きながら、いろんなことが勉強できました。

 

夏には、全国各地から地質屋さんが訪れ、

北部フォッサマグナの地質構造発達史を学ぶ場です。

また、学校の先生方が多くを学ぶ場でもあります。

実際に歩き、崖で実物をみて、

なぜ、ここに崖があって、我々が学ぶのかを考える…

そういうことのできるルートです。

 

今日は、卒業研究で地質学を学ぶ、という学生さんを相手に過ごしていたので、

ちょっと言葉や内容が難しくなりました。

このブログらしからぬ内容で、すみません…

 

久しぶりに春らしい陽気でもあったので、

年寄りが舞い上がっているのだろう、と、ご理解・ご容赦いただけると幸いです。

 

新年度始まります

昨日、新しい年号「令和」の発表がありました。

昭和生まれの身としては、平成も終わってしまうのかと感慨深い…

時代が動く感じがします。

 

しかし、戸隠は四月というのに、連日雪が降ります。

まだまだ、冬将軍が居座っており、今朝はマイナス5度近くまで冷え込みました。

急な下り坂では、スリップします。

スタッドレスタイヤへの履き替えしなくてよかった!

 

昨日、新年号の発表前の雪、

湿った雪が枝に張り付き、きれいな風情を見せていました。

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今日も午後2時過ぎから雪、

 

あっという間に、周囲が白くなっていきます。

長野山沿いは、大雪注意報が発令されています。

 

明日の朝も積もっていることでしょう。

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こんな、へき地の館ですが、今年もいろいろと手をかえ、品をかえ、

戸隠の自然と人々のかかわりを学ぶ拠点として、活動していきます。

 

このブログでもその一部を紹介していきますので、ご一読下さい。

よろしくお願いいたします。

 

 

怒涛の弥生も終わります…

お江戸では、ソメイヨシノが満開で、お花見大会とのニュース…

 

しかし、今朝の戸隠は雪、午前7時には積雪となりました。

柴犬館長も寒そうです

(実は大喜びなのですが、しかめっ面しか撮れませんでした)

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出勤時の飯縄山も雪で、真っ白…

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そう簡単には、春になりませぬ!(+_+)

 

桜のつぼみもなかなかふくらみません。

 

昨年11月に植えた例のヤマザクラのつぼみは、まだ、こんな感じです。

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ソメイヨシノも、こんな感じ…

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ウメは咲き誇っています。

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雪が少なかったせいか、今年の3月は入館者が多めでした。

どうしてだろう! 職員が不思議に思うくらい、

この山間地になぜ???

戸隠神社に参拝ついでに、博物館に寄る方が増えたのでしょうか?

例の番組で、知名度があがったのかもしれません???

 

さて、平成最後の営業日、

入館者5桁突入は、どうなりましたでしょうか "(-""-)"

以下、今日の様子を実況でお伝えします。

 

雪が止んだ後、戸隠も晴れとなりました。

午前9時半過ぎ、高校生5人組が、長野駅からバス、

その後、バス停から1時間かけて歩いてきてくれました。(^-^)

こりゃ、すんなり達成か?と思いきや…

 

静かな一日になりました。

お客様が迷わないように、誘導看板を設置してまわったのですが

その努力も報われずじまい…

 

お天気が良すぎると、博物館は入らない、という鉄則通りの展開に…

お昼過ぎ、ぽつぽつとお客様が来館、

しかし、少な目です。あと数人なのですが…

一応、記念品も用意することにしました…

 

あぁ~やっぱり、とどかないかなぁ~と、ため息をついていたら、

午後2時半すぎ、雪が再び舞ってきました。

こりゃ、だめかも…あきらめの境地に…

 

「あきらめたら、そこで試合終了ですよ!」 某漫画のセリフが聞こえます…

 

しかたがない、例の法則を実践するしかない!と

断固たる決意!ってやつさ おやじ…

 

当館には、ある法則が10年間の経験則として存在します。

それは、「消すと来るの法則」と呼ばれ、語り継がれているのです。

三階の展示室の照明や暖房を消すと、お客様が来る!というものです。

めったに明かしたことのない、秘密の法則です。

しがない、場末の博物館職員の浅知恵…とも言われます。

午後2時40分 消灯…

 

その最後の賭けにも失敗か?

募る不安、

来てほしいオーラが、かえってお客様を遠ざけるのでは…

「欲望を捨てて、無心にならなきゃ」とも思うのですが、

脳内妄想は広がり、外を通過する自動車にまで

「こっちへ来い。入るんだ博物館に!」と強烈な念を送ってしまう始末に…

 

こんな無駄なエネルギーを浪費し、疲れがたまります。

すると、とうとう車がキタッー!やった~!

 

おやっ?白い軽トラ  どこかで見た車だぞ?

ご近所さんから、退治したハクビシンの持ち込みです!

これで、9999名となります。

ハクビシンも数えちゃうか、という衝動もありましたが、

そこは抑えることに…

 

その後、雪にもめげず、地元の方々2名が博物館に来てくれました。

最終的に、今年の入館者は、10001名となりました。

皆様に感謝いたします。

 

明日には、新しい年号の発表もあり、

新しい時代を迎える準備が始まります。

この山奥の博物館、どうぞ4月からもごひいきの程、

よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

教材

水槽部屋のウーパールーパーの卵。

今月半ばに生まれたのですが、

順調に発生が進んでいるものが見られて

けっこうおもしろいです。

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足元のウーパールーパーの大きなたらいを

よ~~くのぞいてみてくださいね。

 

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大昔に、生物の教科書でみた記憶がよみがえります。

 

現在、学校教材の企画展をしていますが、

まさに生きた教材です^^

 

一年前に生まれた兄弟たちは10㎝ほどに成長して、

館の廊下で愛想をふりまいています^^

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1年でこれだけ成長するのですから、

生きものってすごいです。

 

ところで、

昨日予告した入館者数の大台とは、

ずばり、一年間で5桁にのることです!

おかげさまで、かなり現実的になりました。

 年度の最後の最後に、というのが、

自転車操業のこの館らしいです^^; 

 

 

外しごと

肌寒い陽気でしたが、

昨日の雪景色に比べれば、まだましというもの。

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春休みで、お子さん連れのお客様も多いです^^

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N〇Kはじめ、職員の顔だしのせいか、

皆さまの応援口コミが広まっているためか、

おかげさまで今年度の来館者の人数が、

開館以来の大台にのろうとしていますヽ(^^)(^^)ノ

本当にありがたいことですm(__)m

あと、土日の2日間ですが、

区切りの数に当たりたい方は、ぜひご来館を!

いいことがあるかもしれません・・・

 

さてこう暖かくなると、職員の外仕事も自然と増えます。

持ち込まれたカブトムシの幼虫の部屋作りをしたり、

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新たな栽培地の開墾に忙しい職員の姿がありました。

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花粉症で大変なのに、外に出ずにはいられないのが

辛いところですが;;

 

新年度のスタートは、新しい元号の発表もあって、楽しみも倍増。

ちょうど休館日なので、

家で発表の瞬間を見ようともくろんでいます。

博物館の新年度は、どんな年になるでしょうか。

 

コケのせかい

昨夜は雨とともに強風が吹き荒れ、

今朝は起きたら雪景色!

極端なことばかり、変なお天気です・・・

 

それでも日差しが出ると、鳥たちはにぎやかです。

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先日、観察会でお掃除をした巣箱を

さっそくのぞいているシジュウカラもいました。

(ふたの上にとまっているのが、わかりますか?)

ヤマガラものぞいていましたし、

優良物件(!?)は誰のものになるか、楽しみです。

 

さて、昨日のことですが、行事の下見で

館の周りでコケをさがしました。

それほど歩いていないのですが、

 

しっとり系

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もふもふ系

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こじんまり系?

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あわせて、6種類ほど見つけることができました^^

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あえてコケの名前をだしていないのではなく、

じつは、本当にわかりません><! 未知の世界!

行事までに、調べてみることにします^^;

 

身近にいろいろな種類があって、手触りもよくて、

楽しい世界だということはよくわかりました。

 

そうそう、コケといえば、

巣箱の掃除をしたとき、去年の古巣をとりだしたのですが、

コケが多用されていました。

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土台にコケで厚みをもたせ、

どこのかはわかりませんが、表面は綿をつかっていました。

(おそらく館のでしょう)

ふわっふわでした^^

 

鳥たちのほうが、コケの世界では大先輩でした!