ホネの標本を作ることも重要な仕事で
今日はその第一段階の解剖を行ないました
ホネにするために不必要な部分を取り除く作業で
上は60代?から下は4歳までが参加しました。
うりぼう(イノシシの子ども)、ワニガメ、オシドリ2羽、ゴイサギを
解剖しました
解剖をすると様々なことがわかります。
オシドリにはある砂肝がゴイサギにはなく、
なぜなら魚食中心の鳥なので必要ないということ
ワニガメの気道も、カミツキガメ同様
舌の先につながっていることもわかりました。
そして、こんなこともわかりました。
実はうりぼうはご近所で死んでいたものが
運ばれてきたのですが、外傷がないので
死亡理由がわかりませんでした。
解剖すればわかるはず!と思っていましたが、
なかなか判明しませんでした。
腹腔内に出血があり、
出血もとをさがしましたが
どこからかの出血かわかりません。
内臓を見ていくと
ん?
胃に穴が!
胃潰瘍?
こんなに若いのに?
なぜあいたのか?という新たな謎を残し、
進めていくと
あっ!左足の大腿骨がぱっくりと折れている!
(見難いですが、折れています)
この瞬間
この子は交通事故で怪我をしたことが判明しました。
触診ではよくわからなかったことが、解剖で判明。
足の付け根を見ると左足の方は出血があり、
右足の方の出血はありませんでした。
(向かって右側(左足の方)だけ出血のあとがあります)
骨盤を触ってみると、大分砕けていました。
!!!!!!!!
ここで、すべての糸は繋がりました。
この子は道路を渡っている時
車か何かに左側から腰骨付近を轢かれました。
即死はせず、よたよたと歩いたかもしれません。
轢かれたため、内出血を起こし、重要な臓器への
血液の供給量が急激に減っていき、力つき、横たわったり
そしてあまりの痛みで、胃には穴が開いたのでしょう。
つまり
この子の死因は
外因性ショック死だったのです。
かなりつらい最期だったようです。
それでも、解剖をすると
こうした最期の声もちゃんと聞くことができるので
供養にもなると思っています。
普通は焼却処分ですし。
失った命の上に標本は存在する。
立派なホネの標本として、
蘇らせることで、より供養になることを願っています。