戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

地球を半周した車

公用車の走行距離が、ちょうど2万キロとなりました。
これを叩きだしたのは、魚専門の職員。地層見学の下見から戻ってきたときでした。
地球一周が4万キロと定義されていますから、今日で地球を半周したことになります。なにかのターニングポイントなのかもしれません。よいチャンスに恵まれるといいなぁ。

では、ここで一つ小話。私が学生時代に、地学の授業で聞いて感動した話です。
地球一週の距離を初めて計算した人は、エラトステネスという古代ギリシア人。紀元前の話です。彼は、夏至の日にはシエネにある深い井戸の底を太陽が照らすということと、シエネからアレクサンドリアまでの距離を知っていたことから、図学的に地球の大きさをみつもってみせました。もちろん、彼は、地球が丸いということを知っていたことになります。実際の地球は少しつぶれた楕円形をしているので、厳密には球と仮定していた彼のみつもりとは少し違うのですが、かなり近い値を求めています。
これ、すごいと思いませんか?
私にはぜったいに思いつかない方法です。天才とは思考に縛りというか固定概念がなく、思考のコペルニクス的回転ができる人なのでしょう。
ちょっと、2万キロという値をみてこの小話を思い出したので紹介してみました。