戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

あつめ つくり みせ のこす

台風のあと

寒気が入り込み

館内も寒いです><

暖房入れたくなるほどに・・・

 

 

冬も近い・・・

館の裏にある栗も台風でずいぶん落ちました

 

こうした実りは

動物たちも当てにしているようで

最近増えてきたサルも

けっこう食べている様子

 

負けじとひろわないと><

 

そういえばこのあたりには

クリが好きな動物として

ツキノワグマがいます

 

2006年に県内だけでも

1000頭以上が駆除されましたが

10年以上がたち

ここ数年は秋から冬にかけて

野生動物にはすごしやすい気候でもあり

クマの資源も回復したみたいです

 

今年はそのせいか

例年になく持ち込まれたり

持ち込まれそうになったり^^;

 

そのうちの1頭は

180㎝ 150㎏という超大物!

ツキノワグマでこの大きさは最大級です!

 

まだ頭の骨だけですが

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30cmの竹の定規では足りないくらいの大きさ!!!!

横幅もひろく圧倒されるサイズ感です!

それでも縫合線による齢査定では12歳^^;

 

 

縫合線が全部くっつくまでは成長するってことは

まだ成長期だったのかも・・・

 

生きていればイヌが頑張る某漫画の

赤カブトを彷彿とさせることになったかも・・・

 

そして

同じく今年持ち込まれた

0歳のクマの

先日できたばかりの毛皮

と比較してみました

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0歳のクマは頭胴長が53㎝ですので

Maxサイズの頭骨がいかに大きいかが

わかってもらえるかとおもいます

 

ちなみにこの子は9月の頭に

親とはぐれたらしく

餓死して亡くなった子で

 

解剖時 胃内容物もなく 

自力ではなにも摂取できなかったようです

 

数日間某所をうろうろしていたそうで

「今日は見かけないね」と

さがしに行ったら

草むらに横たわって

冷たくなっていたそうです

 

発見当時4.4㎏しかなく

某動物園での飼育記録によると

春先に冬眠から覚めた時とほぼ同じ体重なので

冬眠から覚めて数か月たっているはずの

この子はずいぶん小さく痩せていたようです

本日より毛皮は公開しています

 

 

他にも1歳半の子も持ち込まれたので

現在その子の毛皮も作成中

もちろん骨も

 

戸隠にすむ同じクマでもいろいろですね

こうした個性を記録し、残すためにも

博物館ではたくさんの標本を作製しています

 

日々すこしずつですけどね

 

そんなお手伝いをしたいって

奇特な方がいれば

ご連絡くださいな