戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

地質の日 その1

今日は「地質の日」

2007年に制定されましたが、まだまだ認識されていないと感じています。

 

先日も、当館の活動にご協力いただいている、地質好きの方にも、

「えっ、そんな日があるの?」と驚かれてしまいました…(-_-)

 

みなさん、普段は大地の上に暮らしていますが、

その地下については、何も考えません!

 

その存在が当たり前すぎるからなのでしょう。

 

観光地などで、きれいな風景をみて、すごいなぁと感じますが、

それがなぜできたのか?を考える人はあまりいません…

(自分も、昔はそうでした…)

 

それが、姿を変える瞬間があります…

地震やがけ崩れ、火山の噴火などがその代表です。

 

その積み重ねが、現在の風景をつくってきたのです。

その歴史を探り、現在の姿を理解しよう、というのが地質学です…

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今日、戸隠へ向かう道沿いの風景

長野県北部の第三紀層のつくる景観です。

 

日常の中に、地質学があるのですが、

それを考える人はあまりいません…

 

しかし、未来の姿を予測するためには、とても重要な学問…

すぐそこまでやってきている「地球の危機」についても、

その危機を救う方法論として、大事なものだと思っています。

 

 

明治時代の信州で育った地質屋「保科五無斎」は、

「地質学はすべての学問の基礎である…」と考えたのです。

 

「その土地で暮らすには、まずその土地の地質を知れ…」

「その土地は何でできていて、水の動きや作物が育つのもそのおかげ…」

そんな内容を、各地で講演して回りました…

 

人類のために、地質学は何ができるのでしょうか?

この日をきっかけに、ちょっと考えてみたいと思います。

 

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人間が最初に使い始めた道具は「石」でした。

その硬さ、割ったときの鋭さ、良い石を求めたのです。

 

そして、農耕が始まり、作物を作りやすい場所で安全な土地に定着!

 

銅(あかがね)や鉄(くろがね)、金(こがね)など金属の利用

石炭・石油をエネルギー源に、そして、原子力の開発へ

 

岡山・鳥取県境の人形峠では夢のエネルギーの素、ウランが採掘されている!

なんて、小学生の頃に習いました!

 

地質学は、人間の生活を支える学問であったのです。

 

「おーい、ちょっと長いぞ、今日はここまでにしときや!」

 

 

 

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はいはい、柴犬館長も飽きてきたらしいので、

今日はここまでにいたしましょう             (その2に続く)