戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

地質の日 その2

人間の生活を支える大地を調べる地質学…

 

その原点は、露頭にあります。

 

地層が表面に出ていて、その中身が見える場所…

 

 

何が出てくるかわからないので、崖があれば、そこは要チェック…

 

調査の目的に合わせ、いろんなことを調べますが、

それは、相手に合わせて変えていきます。

 

海に堆積し、その後、傾いた地層を調べる時は、ハンマーで…

戸隠周辺では約1000万年から160万年前の海にたまった地層を

追いかけます。

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基本的には、沢歩きになります。

 

泥岩の中にできた団塊(ノジュール)です…

 

また、もっと新しい地層を調べる時は、

草掻き鎌やスコップも使います…

 

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先日、畑の中に崖が出現し、飯縄山を起源とする火山灰の調査…

 

ただの赤土なのですが、その中には大地の歴史(5万年~10万年前か?)が

詰まっています。

 

地元の大学の先生も一緒です

 

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ちょっと色の違う、あまり見たことのない火山灰がありました。

これは、どんな噴火だったのかな?

 

すべての地層を見たいのですが、なかなかそうもいかない現実があります。

 

それを補うのが、地形や転がっている石など、周囲の自然です。

水の湧きだしや、植生などもヒントになります。

 

総合的に自然を見て、判断し、

大地の生い立ちを復元していくのです。

 

露頭(点)から始まり、線につなげ、さらに面的な広がり、

 

三次元的な立体復元(断面図)を考えて、地質図を作る!

そして、過去から現在までの移り変わりを推測!

 

つまり、地質学は0次元から4次元までを扱う学問…

 

その作業過程が、一つの楽しさといってよいでしょう!

 

 

地球との付き合い方をその中から学びます。

明治時代、保科五無斎が

「地質学はすべての学問の基礎だ」と語ったのは、その辺のことをさしています。

 

 

館長、今日のところは理解していただけましたか?

 

「ワンワン、なかなか面白い学問じゃなあ… (・_・D フムフム」

 

じゃが、今日はこのくらいで、聞・き・あ・き・た!

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では、今日はこの辺で、お・し・ま・い!

 

この続きは、いづれまた…