戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

森の恵み

今期もひそやかに続いていたキノコ採集(菌活!?)

山では雪が降るようになり、終盤戦となりました。

お天気を見計らって、師匠といそいそとブナ林へ向かいます。

お目当てはナメコです^^

 

師匠のもとで修行を始めて、数年たち、

いろいろなキノコを見てきましたが、

ナメコの可愛らしさは別格です^^

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テンションがあがります!!

 

スーパーなどでよく見るサイズは天然ではまだまだ小粒。

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傘が開いてからが食べごろだそうです。

 

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この美しい株が目に入ったときは、

師匠と二人で思わず叫んでしまいました。

森の恵みに感謝しかありませんm(__)m

 

今回は思いがけず、エノキダケにも出会いました。

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スーパーなどで売られているものとはだいぶ異なる姿ですが、

これが本来のエノキダケです。

 

朽ちた木の皮の隙間に伸びていたものもありました。

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(隙間を広げて撮影)

陽があたらず、隙間で長く伸びようとしている姿は、

スーパーのエノキを思わせました。

逆に、この天然のエノキを、

あの白い束状で栽培しようとした昔の人が偉いです^^

 

そこで思い出しました。

ちょうど1年前、松代のとある由緒あるお寺に行ったとき、

エノキダケ人工栽培の元祖のかたの胸像がありました。

 

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「長谷川五作先生」 松代出身の教員です。

今日、改めて調べてみたところ、

JAの長野県のHPに、エノキダケの誕生秘話が掲載されていました。

プロジェクトEーーエノキタケ誕生秘話|農畜産物|長野県のおいしい食べ方 (iijan.or.jp)

 

長谷川先生が地域の産業振興を願って、栽培を農家にすすめたこと、

松代から門外不出の栽培方法だったこと、

それを、豪雪地域である県北で、

農家の冬の副業、出稼ぎ対策とするために、

努力をされたかたがいらっしゃること。

 

スーパーで普通にならんでいるおいしいエノキダケですが、

その栽培にたくさんのドラマがあることを

今回思いがけず知ることができました。

 

館長の日々の教え

 どんなものにも物語が潜んでいる!

 大地にしかり、風景にしかり・・・

 

そして、キノコにしかり!! でした^^

おあとがよろしいでしょうか??