戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

行列ができました。

朝、出勤してみると、玄関先に行列ができていました。

日曜の朝から、ぞろぞろと並んでいます。

 

とうとう、この田舎の博物館も人気者になったか!

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しかし、残念ながらお客様ではございませんでした。

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アミメアリらしい…

ギャー やめてくれ!

 

パニック映画「黒い〇〇」を連想させる出来事です。

 

この時期、時々見かけますが、博物館の玄関前を横断するのは、

初めてかもしれません。

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昨日の夕方から行列ができていたと、昨日、勤務の職員には聞きました。

 

博物館の西側からきて、東側へ移動しています。

どこへお引越しなのでしょうか?

 

気になりますね。

 

以前、住宅にも侵入され、パニックになったことも頭をよぎります。

天井から、どこからともなくアリが落ちてくるのです…  キャー!!!!!

あれほど怖かったことは、なかなかありませんでした。

 

 

 

追伸

金曜日、軽率な行動がもとで、目の上に傷を負いました。

皆さんにご迷惑・ご心配をおかけしましたので、

自分への戒めとして、その傷を画像に残します。

世の中、何がおきても不思議ではありません。

何事も油断できません。

 

おのおの、ぬかりのないよう、十分にお気をつけください。

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初夏のダニもおもしろい

今日から6月!新緑もまぶしく、

ハルゼミたちも鳴きはじめました。

 

柵小学校の子どもたちが卒業記念の日時計

そこには赤いダニがみられるようになりました。

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この時期、よく目立ちます。

 

タカラダニの仲間のようです。

一説にはメスしか見られないのだとか…

人を刺すわけではないのですが、

いっぱいいると、ちょっと不気味な感じです。

 

アリが苦手な職員にとっては、眉をひそめざるをえません。

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そんな中、日時計にはミノムシもくっついていました。

人間なら、こんな状況下では熱中症で、倒れてしまいそう…

暑くないのかなぁ?

人間の想定を超える、節足動物の生活です。

 

そんな中、土壌生物の勉強会に、参加させていただきました。

枯れ葉が朽ちた腐植層の中から、ミミズをはじめ、ダニやトビムシ

ムカデやヤスデ、コムカデにヒメミミズ…

さらには陸貝の仲間も見つかります

もちろん嫌いなアリたちもたくさん (-_-;)

 

森の分解者たちの多様性や役割を考える、よい機会になりました。

みんな違って、みんないい!

やはり、普段は見えない存在ですが、

生態系を支える役割を持っているのだ、と実感できました。

 

自分で捕まえ、本物をみることで、この年になっても気づくことが多いです。

見ると見ないとでは、大きな差が出るなぁ…

一方的に嫌ってごめんね! ダニの皆さん…

 

 

むらもやし?

先日の休みに、

県北の栄村に植物の調査のお手伝いで行ってきました。

地元のかたにおすすめスポットを案内していただき、

戸隠とは違う植生を堪能させていただきました^^

 

その際に、飯山や栄村では、ブナの芽生えを食べる

というお話をいただきました。

ブナの実はなり年とならない年がはっきりしています。

去年はなり年だったので、木の下に芽生えがたくさん見られました。

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もちろん大きく成長できるのは、この中のごく一部。

たくさん出ている芽生えをつんで、

ゆでて食べると、木の実の味でとてもおいしい、

地元では むらもやし と呼ぶ、とのこと。

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(殻をかぶったままの芽生えも^^)

 

ここまで言われたら食べてみるしかないでしょう!

と、10本ほど失敬してきました。

 

さっとゆでて食卓に。

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むらもやし というらしい、と家族に話をすると、

それって ぶなもやし じゃないの? との指摘。

ネットで調べたら、確かに ぶなもやし でした。

聞き間違いです。失礼しましたm(__)m

 

食べる前に本当の名前がわかってよかった^^

味のほうは、確かに木の実の甘さがあって、

間違いなくおいしかったです!

木の芽生えを食べるのは珍しいと思います。

ブナ文化の奥深さを知りました。

 

 

 

 

比べてみるのも大事!

先日、休みを利用し、石垣島竹富島へ出かけてきました。

日本各地を旅した自分にとっては、最西端・最南端の土地になります。

サンゴ礁の広がる、石垣ブルーの海、感動的でした!

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北海道で気温38度を記録した日、石垣島は28度でした。

梅雨の合間で晴れてはいましたが、北海道より10度も涼しいなんて、びっくりです。

 

日本はひろい?  それとも温暖化による異常気象?

気になるところです。

 

旅の目的は、熱帯のマングローブ林を見たり、

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砂浜で「星の砂」を探したり、

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熱帯の昆虫や、島の地質を確認したりしました。

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戸隠山と同じような、凝灰角礫岩類も崖をつくっています。

チャートの露頭もありました。

第三紀花崗岩類もあるそうです。

 

やはり、まずはジオ!!!!

 

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竹富島にある階段もサンゴでできていました。

 

島をいろいろ探検!

南十字星も見たかったですが、夕方は曇り空、ちょっと残念。

 

 

西表石垣国立公園のビジターセンター、

竹富島重要伝統的建造物群保存地区も牛車に乗って視察。

(ちょっとこじつけっぽい感がありますね!)

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とにかく、これまでになく刺激的で、勉強になることばかりでした。

「モズクのてんぷら」「八重山そば」「ラフテー」「グルクン」

「オ〇〇ン・〇―ル」「泡〇」も堪能!

 

楽しくて、楽しくて、ちょっと帰らなければならないのが、残念!

戸隠では、先月まで雪が降り、今朝の気温も4度ほど…

石垣島では、気温一桁台やマイナス気温なんてないだろうなぁ…

四季がはっきりしている戸隠とは、雲泥の差を感じています。

 

このブログでも、勉強になったところを紹介していこう!と考えています。

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追伸

帰りの羽田空港で、すごいものに遭遇!

石垣島を上空からみることができると思っていたら、

雨模様の空で、残念でした。

残念がっていたら、幸運に恵まれたのです!

なんと、世界一有名な飛行機…  

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その名は「エアフォース1」

アメリカ大統領の専用機、そのすぐわきを通りました!

 

いやー、本物です! 

すごいものを見ることができました。

問い合わせ

昨夜、久々のおしめりがあり、

雲が抜けて、まぶしい青空となりました。

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戸隠支所の展望窓から飯縄山をのぞむ

芽吹きも進み、緑が濃くなってきました。

 

雨上がりに気になるもの

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水たまりだった場所の縁に、黄色い模様。

 

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大量の花粉でした^^;

ちょうど地元のかたから問い合わせもあったので、

顕微鏡で正体を探ってみることにしました。

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一般的には丸い花粉の粒ですが、

この花粉には、丸いふくらみが2つあって、特徴的です。

風に乗りやすいように、空気の袋がついている、

マツの花粉と決定しました!

別の予測をたてていたTさん、残念!

 

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上が花粉の出所のマツの雄花

もうすかすかです。

 

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こちらが花粉の受け手、受粉を終えたはずの雌花。

1cmぐらいの大きさで、ちゃんと松ぼっくりの形をしています。

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雌花は、今年伸びた枝の先端についています。

その下には、去年受粉した小さな松ぼっくり

これからさらに大きくなって

秋に松かさが開き、種をこぼします。

受粉から成熟まで、1年半かけているということになります!

 

地面の黄色い花粉は、生き物として頑張っているあかし。

(受粉できなかった 残念ぐみ?)

マツの花粉症がでないことを祈って、

今のところはあたたかく見てあげようかと思います。

 

 

 

おどろきのボランティア研修

先日 今はボランティアさん向け研修イベントとなっている

ビーチコーミングと海の生き物観察に行ってきました

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田んぼに映る山並みも美しく

いいお天気すぎる日でした

 

 

普通に貝をひろっている某職員とは違い

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当館のボランティアともなると

ひろうものも一味違い

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シカの歯やら

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ヤシの実までひろってきます

 

すごいな~

うちのボランティアはと感心しきり

 

そして

今年はさらにすごいことが!

 

移動した先の海岸でのこと

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浜辺は砂浜からすぐに海藻が生えひろがっているのですが

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ちゃんとしたカメラがなくわかりにくくて申し訳ないのですが

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大きな白い四角はビニールですが

それ以外の白いものや波紋が広がっているところは

すべてイワシです!

 

事情はよくわかりませんが 

イワシが海藻の上で大量にアップアップしているのです

 

また浜辺にもイワシが泳いでいて

少し岸寄りに追い込むと

砂浜に打ちあがっていく有様

 

もう こどもたちは

イワシに群がり取り放題状態でした

 

某職員もこんな状況ははじめてのこと

まさかイワシを手づかみでつかまえられるとは!

 

それにしてもなぜイワシはそんな状況に・・・

 

海水温は極端に高いわけでもなかったので

暑くておかしくなったわけではなさそうなのですが・・・

 

10年ほど通っている海なのに

はじめてのことが多くてびっくりな1日でした

 

ちなみに現地集合現地解散なので

ボランティアさん以外でも参加することは可能です

そのかわり特にお世話も指導もありませんけど・・・

気になったら 来年 お問い合わせください

コケの日

今日は本館の行事「苔テラリウム」づくりを

戸隠で開催してもらい、

そのお手伝いをしました。

戸隠で行うということは、もちろん材料集めからですが・・・

戸隠とは言え、午後の外歩きは暑かった(+_+)

 

しかし、皆さんが木陰を求めて林に入ってくれたおかげで、

下見の時には見ていなかった素敵なコケが発見されましたし、

暑さでちりちりだったコケを水につけると、

いきいきと甦る姿をみることができました。

暑さもまんざら悪くなかったです(^-^)

 

 

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集めたコケを切って形を整えて

ビンの中に植えていきました。

 

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これで5種類ほど。

あまり密に植えると、成長できなくなるので、

隙間をあけて。

 

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記念に、戸隠の化石入りの石も配置してもらいました^^

 

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こんなに一生懸命コケを見たのは初めて、

という声がほとんどです。

身近にこんな豊かな世界が広がっていたということが驚きで、

職員も、ますますコケにはまってしまいました。

 

それからもう一つの驚きは、

連日、人前で話しているうちに、

はったりがきくような気になってきた自分です。

今日のコケは 全くにわか勉強だったので、

これからもっと修行しますm(__)m

 いずれ自前でコケの教室が開けるぐらいになるといいのですが。