戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

問い合わせ

昨夜、久々のおしめりがあり、

雲が抜けて、まぶしい青空となりました。

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戸隠支所の展望窓から飯縄山をのぞむ

芽吹きも進み、緑が濃くなってきました。

 

雨上がりに気になるもの

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水たまりだった場所の縁に、黄色い模様。

 

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大量の花粉でした^^;

ちょうど地元のかたから問い合わせもあったので、

顕微鏡で正体を探ってみることにしました。

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一般的には丸い花粉の粒ですが、

この花粉には、丸いふくらみが2つあって、特徴的です。

風に乗りやすいように、空気の袋がついている、

マツの花粉と決定しました!

別の予測をたてていたTさん、残念!

 

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上が花粉の出所のマツの雄花

もうすかすかです。

 

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こちらが花粉の受け手、受粉を終えたはずの雌花。

1cmぐらいの大きさで、ちゃんと松ぼっくりの形をしています。

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雌花は、今年伸びた枝の先端についています。

その下には、去年受粉した小さな松ぼっくり

これからさらに大きくなって

秋に松かさが開き、種をこぼします。

受粉から成熟まで、1年半かけているということになります!

 

地面の黄色い花粉は、生き物として頑張っているあかし。

(受粉できなかった 残念ぐみ?)

マツの花粉症がでないことを祈って、

今のところはあたたかく見てあげようかと思います。