戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

遺物の発見!と思い出…

館長との巡回中、昔の遺物を発見…

用水路の中からほじくり返すと、昭和の遺物でした。

 

これは、これは!懐かしい

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某コーラメーカーの一リットル瓶!

オリムピックの公式スポンサーとしても有名です。

やったー!

アルミ製のふたも残っているし、

少々傷があるものの、完ぺきな姿です。

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とても懐かしい品です。

 

昭和40年代、このビンは酒屋さんにもっていくと、

30円の保証金が頂けたものです。

 

公園などでひろって洗い、持ち込んで小遣い稼ぎをする

こどもがいたらしいです、当時は… (これは伝聞ですよ)

 

他にも500㎖や350㎖のものや、

ス〇ライト、ファ〇タ、ドクター〇ッパー、などが思い出されます。

蓋の裏側をはがすとクジになっており、

現金があたったり、もう一本もらえたり、ハズレだったり、した思い出があります。

部活の帰り道、おでん屋?駄菓子屋?で、息抜きによくのみました。

その店には、スペースインベーダーパックマンなどの

ゲーム機があったように記憶しております。

 

甘酸っぱい香りとともに思い出がよみがえりますね。

 

黒い液体を入れて、生態復元にチャレンジ!

オーッ、とてもよく復元できました。

何を入れたのか、皆さんもお考えを… 答えは最後に!

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そういえば、ビンの底部にくぼみがあり、四角だったり、丸だったりしました。

千葉のいなかでは、これは辛口と甘口を示す印…

と信じられていたのです。

どっちが、どっちだったかもう記憶にありませんが、

そんなことも思い出してしまいました。

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うーん、そんな都市伝説をよく信じていたなぁ…

 

本当の理由は、ネットでしらべることができました、

皆様もぜひ、チャレンジを…

 

この1リットルビンを貯金箱にした方も多いはず…

炭酸が強くて、日当たりのよい場に置くと、破裂する危険性があって、

一時期、プラスティック製のカバーがついていた時代もありました。

ビン一本から、40年以上も前の記憶がどんどんよみがえってきます。

 

さすが、〇〇・コーラ、思い出がつきません!

 

自動販売機の横に、栓抜きがあって、

プシュー、と抜いたこと…

いたずらで、よく振ったビンを仕掛けたり、

思春期から青春時代とともに過ごした仲間だった気がします。

「コー〇・ハイ」なんていう飲み物もありました…

 

今はペットボトルしかない上に、あまり飲むことはなくなりました…

でも、また、飲みたくなる味です。

今日は買ってかえろうかな…

 

 

(中にいれた黒い汁は、墨汁を薄めたモノ、学校時代の遺産でした!)

 

 

 

 

 

クラブ活動

去年から、地元 戸隠小学校の放課後クラブ活動の

お手伝いをしています。

身近な自然や歴史を調べる「ふるさと戸隠クラブ」です。

第一回目の野外活動なので、

小学校からほんの100mほどの場所を歩いただけですが、

そこは戸隠です。

興味深いものがいろいろ見られました^^

 

ただ、時間制限があり、あわただしく歩いたので、

今日は写真を撮れませんでした。

下見のときの写真でご紹介しますが、

この中を20人ぐらいの元気な児童さんたちと

歩いたと、ご想像くださいm(__)m

 

まずは、戸隠支所(もと村役場)のすぐ前にいらっしゃるお地蔵様。

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やさしいお顔です。

享保4年と彫られており、1719年、

つまり今からちょうど300年前のものだとわかりました。

ずっとここで見守ってくれています。

 

次に幕末の道しるべや明治時代の先生の顕彰碑。

 

そして、地区のお宮、豊岡神社へ

大正時代の火事から昭和になってから再建されたお宮ですが、

本殿の彫りがなかなか個性的で面白いです。

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獅子がぎょろ目で迫力があります。

 

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屋根を支えるように、鬼のような姿もあります。

これが何者なのかは、次回までの宿題に・・・^^;

 

最後に、学校の敷地が、

江戸時代までは代官のおやしきのものであったことを

お墓などの石仏から発見して、ゴール!

 

子どもたちの中に、私よりも明らかに歴史に詳しい子がいたりで

なかなか鋭いつっこみが入って汗がでましたが、

無事に1回目を終えることができました。

身近なことを知るって面白いですね^^

 

学校内には、「ミニ博物館コーナー」をもらっています。

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ときどき(2週間に一度ぐらいのペースで)入れ替えて、

季節の草花や生き物を紹介しています。

今日のクラブの後に寄ったら、

「いつも楽しみにしています!」

と児童さんに声をかけてもらいました。

 

クラブやこうした活動が、地元の子どもたちの心に

何か残ってくれれば、

博物館としてはとてもうれしいです^^

 

 

 

 

 

 

花と実…

昨日は長野市街地は31度を超えました。

市役所に行くと、暑くて暑くて…

 

戸隠の博物館内(1階)は、上着が必要なのに…

 

そんな初夏の気候が、花と実を大きく成長させています。

 

花が散ってから、ご無沙汰していましたが、

鶴〇桜(オオヤマザクラ)も、

よく見ると、サクランボをつけていました。

食べられるといいなぁ、なんか御利益があるかなぁ

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イチゴも食べごろのものが…

 

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秋のマメ展に備えて育てているソラマメも花が咲きました。

ソラマメの花は、初めてみます。

 

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カワラナデシコも、ドクダミ

 

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きれいに咲いています。

 

すっかり初夏ですねぇ~

 

今日は午後2時過ぎ、ざあっーと通り雨も降りました。

梅雨もだんだん近づいてきたようです。

多様です

県境をこえて妙高笹ヶ峰へ行ってきました。

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乙見湖ごしの雪が残る山々。

中央右寄りが焼山で、最近は噴煙は少ないそうです。

戸隠から車で1時間で、ヨーロッパのような別世界でした。

 

戸隠よりも春の訪れが遅いようで、森の遊歩道では

ニリンソウがまだきれいな花を咲かせていました。

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たくさん咲いている中に、花が緑色になる変種

ミドリニリンソウも見られました!

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同行者とゲームのように探していたら、

ここにも! あそこにも!と

いろいろな緑の混ざり具合の花が見つかりました^^

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もともと、ニリンソウは花びらがなく、

白く見えているのは がく です。

緑色になるのは、一種の先祖返りなのかもしれません。

 

微妙な造形の美しさ、その多様さに

すっかり魅せられてしまいました。

 

 

 

 

 

行列ができました。

朝、出勤してみると、玄関先に行列ができていました。

日曜の朝から、ぞろぞろと並んでいます。

 

とうとう、この田舎の博物館も人気者になったか!

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しかし、残念ながらお客様ではございませんでした。

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アミメアリらしい…

ギャー やめてくれ!

 

パニック映画「黒い〇〇」を連想させる出来事です。

 

この時期、時々見かけますが、博物館の玄関前を横断するのは、

初めてかもしれません。

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昨日の夕方から行列ができていたと、昨日、勤務の職員には聞きました。

 

博物館の西側からきて、東側へ移動しています。

どこへお引越しなのでしょうか?

 

気になりますね。

 

以前、住宅にも侵入され、パニックになったことも頭をよぎります。

天井から、どこからともなくアリが落ちてくるのです…  キャー!!!!!

あれほど怖かったことは、なかなかありませんでした。

 

 

 

追伸

金曜日、軽率な行動がもとで、目の上に傷を負いました。

皆さんにご迷惑・ご心配をおかけしましたので、

自分への戒めとして、その傷を画像に残します。

世の中、何がおきても不思議ではありません。

何事も油断できません。

 

おのおの、ぬかりのないよう、十分にお気をつけください。

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初夏のダニもおもしろい

今日から6月!新緑もまぶしく、

ハルゼミたちも鳴きはじめました。

 

柵小学校の子どもたちが卒業記念の日時計

そこには赤いダニがみられるようになりました。

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この時期、よく目立ちます。

 

タカラダニの仲間のようです。

一説にはメスしか見られないのだとか…

人を刺すわけではないのですが、

いっぱいいると、ちょっと不気味な感じです。

 

アリが苦手な職員にとっては、眉をひそめざるをえません。

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そんな中、日時計にはミノムシもくっついていました。

人間なら、こんな状況下では熱中症で、倒れてしまいそう…

暑くないのかなぁ?

人間の想定を超える、節足動物の生活です。

 

そんな中、土壌生物の勉強会に、参加させていただきました。

枯れ葉が朽ちた腐植層の中から、ミミズをはじめ、ダニやトビムシ

ムカデやヤスデ、コムカデにヒメミミズ…

さらには陸貝の仲間も見つかります

もちろん嫌いなアリたちもたくさん (-_-;)

 

森の分解者たちの多様性や役割を考える、よい機会になりました。

みんな違って、みんないい!

やはり、普段は見えない存在ですが、

生態系を支える役割を持っているのだ、と実感できました。

 

自分で捕まえ、本物をみることで、この年になっても気づくことが多いです。

見ると見ないとでは、大きな差が出るなぁ…

一方的に嫌ってごめんね! ダニの皆さん…

 

 

むらもやし?

先日の休みに、

県北の栄村に植物の調査のお手伝いで行ってきました。

地元のかたにおすすめスポットを案内していただき、

戸隠とは違う植生を堪能させていただきました^^

 

その際に、飯山や栄村では、ブナの芽生えを食べる

というお話をいただきました。

ブナの実はなり年とならない年がはっきりしています。

去年はなり年だったので、木の下に芽生えがたくさん見られました。

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もちろん大きく成長できるのは、この中のごく一部。

たくさん出ている芽生えをつんで、

ゆでて食べると、木の実の味でとてもおいしい、

地元では むらもやし と呼ぶ、とのこと。

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(殻をかぶったままの芽生えも^^)

 

ここまで言われたら食べてみるしかないでしょう!

と、10本ほど失敬してきました。

 

さっとゆでて食卓に。

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むらもやし というらしい、と家族に話をすると、

それって ぶなもやし じゃないの? との指摘。

ネットで調べたら、確かに ぶなもやし でした。

聞き間違いです。失礼しましたm(__)m

 

食べる前に本当の名前がわかってよかった^^

味のほうは、確かに木の実の甘さがあって、

間違いなくおいしかったです!

木の芽生えを食べるのは珍しいと思います。

ブナ文化の奥深さを知りました。