戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

比べてみるのも大事!

先日、休みを利用し、石垣島竹富島へ出かけてきました。

日本各地を旅した自分にとっては、最西端・最南端の土地になります。

サンゴ礁の広がる、石垣ブルーの海、感動的でした!

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北海道で気温38度を記録した日、石垣島は28度でした。

梅雨の合間で晴れてはいましたが、北海道より10度も涼しいなんて、びっくりです。

 

日本はひろい?  それとも温暖化による異常気象?

気になるところです。

 

旅の目的は、熱帯のマングローブ林を見たり、

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砂浜で「星の砂」を探したり、

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熱帯の昆虫や、島の地質を確認したりしました。

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戸隠山と同じような、凝灰角礫岩類も崖をつくっています。

チャートの露頭もありました。

第三紀花崗岩類もあるそうです。

 

やはり、まずはジオ!!!!

 

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竹富島にある階段もサンゴでできていました。

 

島をいろいろ探検!

南十字星も見たかったですが、夕方は曇り空、ちょっと残念。

 

 

西表石垣国立公園のビジターセンター、

竹富島重要伝統的建造物群保存地区も牛車に乗って視察。

(ちょっとこじつけっぽい感がありますね!)

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とにかく、これまでになく刺激的で、勉強になることばかりでした。

「モズクのてんぷら」「八重山そば」「ラフテー」「グルクン」

「オ〇〇ン・〇―ル」「泡〇」も堪能!

 

楽しくて、楽しくて、ちょっと帰らなければならないのが、残念!

戸隠では、先月まで雪が降り、今朝の気温も4度ほど…

石垣島では、気温一桁台やマイナス気温なんてないだろうなぁ…

四季がはっきりしている戸隠とは、雲泥の差を感じています。

 

このブログでも、勉強になったところを紹介していこう!と考えています。

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追伸

帰りの羽田空港で、すごいものに遭遇!

石垣島を上空からみることができると思っていたら、

雨模様の空で、残念でした。

残念がっていたら、幸運に恵まれたのです!

なんと、世界一有名な飛行機…  

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その名は「エアフォース1」

アメリカ大統領の専用機、そのすぐわきを通りました!

 

いやー、本物です! 

すごいものを見ることができました。

問い合わせ

昨夜、久々のおしめりがあり、

雲が抜けて、まぶしい青空となりました。

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戸隠支所の展望窓から飯縄山をのぞむ

芽吹きも進み、緑が濃くなってきました。

 

雨上がりに気になるもの

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水たまりだった場所の縁に、黄色い模様。

 

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大量の花粉でした^^;

ちょうど地元のかたから問い合わせもあったので、

顕微鏡で正体を探ってみることにしました。

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一般的には丸い花粉の粒ですが、

この花粉には、丸いふくらみが2つあって、特徴的です。

風に乗りやすいように、空気の袋がついている、

マツの花粉と決定しました!

別の予測をたてていたTさん、残念!

 

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上が花粉の出所のマツの雄花

もうすかすかです。

 

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こちらが花粉の受け手、受粉を終えたはずの雌花。

1cmぐらいの大きさで、ちゃんと松ぼっくりの形をしています。

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雌花は、今年伸びた枝の先端についています。

その下には、去年受粉した小さな松ぼっくり

これからさらに大きくなって

秋に松かさが開き、種をこぼします。

受粉から成熟まで、1年半かけているということになります!

 

地面の黄色い花粉は、生き物として頑張っているあかし。

(受粉できなかった 残念ぐみ?)

マツの花粉症がでないことを祈って、

今のところはあたたかく見てあげようかと思います。

 

 

 

おどろきのボランティア研修

先日 今はボランティアさん向け研修イベントとなっている

ビーチコーミングと海の生き物観察に行ってきました

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田んぼに映る山並みも美しく

いいお天気すぎる日でした

 

 

普通に貝をひろっている某職員とは違い

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当館のボランティアともなると

ひろうものも一味違い

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シカの歯やら

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ヤシの実までひろってきます

 

すごいな~

うちのボランティアはと感心しきり

 

そして

今年はさらにすごいことが!

 

移動した先の海岸でのこと

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浜辺は砂浜からすぐに海藻が生えひろがっているのですが

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ちゃんとしたカメラがなくわかりにくくて申し訳ないのですが

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大きな白い四角はビニールですが

それ以外の白いものや波紋が広がっているところは

すべてイワシです!

 

事情はよくわかりませんが 

イワシが海藻の上で大量にアップアップしているのです

 

また浜辺にもイワシが泳いでいて

少し岸寄りに追い込むと

砂浜に打ちあがっていく有様

 

もう こどもたちは

イワシに群がり取り放題状態でした

 

某職員もこんな状況ははじめてのこと

まさかイワシを手づかみでつかまえられるとは!

 

それにしてもなぜイワシはそんな状況に・・・

 

海水温は極端に高いわけでもなかったので

暑くておかしくなったわけではなさそうなのですが・・・

 

10年ほど通っている海なのに

はじめてのことが多くてびっくりな1日でした

 

ちなみに現地集合現地解散なので

ボランティアさん以外でも参加することは可能です

そのかわり特にお世話も指導もありませんけど・・・

気になったら 来年 お問い合わせください

コケの日

今日は本館の行事「苔テラリウム」づくりを

戸隠で開催してもらい、

そのお手伝いをしました。

戸隠で行うということは、もちろん材料集めからですが・・・

戸隠とは言え、午後の外歩きは暑かった(+_+)

 

しかし、皆さんが木陰を求めて林に入ってくれたおかげで、

下見の時には見ていなかった素敵なコケが発見されましたし、

暑さでちりちりだったコケを水につけると、

いきいきと甦る姿をみることができました。

暑さもまんざら悪くなかったです(^-^)

 

 

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集めたコケを切って形を整えて

ビンの中に植えていきました。

 

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これで5種類ほど。

あまり密に植えると、成長できなくなるので、

隙間をあけて。

 

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記念に、戸隠の化石入りの石も配置してもらいました^^

 

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こんなに一生懸命コケを見たのは初めて、

という声がほとんどです。

身近にこんな豊かな世界が広がっていたということが驚きで、

職員も、ますますコケにはまってしまいました。

 

それからもう一つの驚きは、

連日、人前で話しているうちに、

はったりがきくような気になってきた自分です。

今日のコケは 全くにわか勉強だったので、

これからもっと修行しますm(__)m

 いずれ自前でコケの教室が開けるぐらいになるといいのですが。

 

今日も堪能

今日は観察会で、黒姫山のふもと

古池と種池をめぐりました。

 

珍しく好天に恵まれた観察会ですが、

逆に暑すぎて ばてぎみでした(+_+)

今年初のエゾハルゼミの声も聞かれました。

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湿原のミツガシワが咲き始めていました。

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広々とした湿原に星を散らしたようなミツガシワ。

高妻山の残雪も青空にはえます。

いい景色でした^^

 

登山道沿いには5種類のスミレの仲間が咲いていましたし、

ニリンソウやウスバサイシンなど、色々な花が見られたのですが、

私が一番印象的だったのは、

太いツルマサキがまきついてしまった木を

感心して見ている皆さんの姿でした。

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いい景色や珍しい植物を見るだけでなく、

自然のおもしろさを みなさんと共有できるのが 

観察会のいいところだな、と改めて感じました。

もっといろいろな体験をみなさんとしたい!、と

こちらもやる気がでます^^

 

午後は別の行事のお手伝いで、戸隠牧場へ。

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この時期、牧場を黄色に染める外来植物

ハルザキヤマガラシ の駆除作業です!

 

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40人ほどの1時間の作業でこれだけ抜き取ることができました。

暑い中、お疲れさまでした!

試食もおいしかったです^^

 

ちょっとくたびれた、マンパワー全開の一日でした(*^_^*)

絶景です

今日は高校生と荒倉山へ!

先週の行事でも展望が人気だったので、

天気がいい今日も、チャンレンジしてみました。

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やはり絶景!

高校生も先生も、もちろん職員も堪能しました。

右側の木がすけているところのすぐ上に、

奥社の杉並木も見えています。

あの中を、100人ぐらいの人が

この瞬間も歩いているかと思うと、何だかすごいです。

クマにも会うはずです・・・^^;

 

今回はコウモリは見られませんでしたが、

サルの群れの移動を見下ろすことができました。

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安全に見られて何よりでした。

 

鬼女紅葉の岩屋の洞窟に入ったり、

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奥の岩屋へ向かって足を延ばしたり、

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なかなかの探検でした^^

職員も初チャレンジの道をどんどん進む高校生の

エネルギーに圧倒されました。

 

縁あって、町から戸隠の学校に通う生徒さんたち。

戸隠の面白さ、

自然のパワーを体感してもらえたでしょうか。

 

間のくさ

五月晴れのいいお天気です!

しかし館内はまだまだ寒く、

ときどき暖をとりに外にでないと

体がうごかなくなってしまう・・・

爬虫類のような生活をしています^^;

 

さて今日は野生のマメの仲間をご紹介します。

似た仲間がちょうど3種類そろっていたので^^

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左側はよくみるカラスノエンドウ

人が食べるえんどう豆のサイズより小さいので

その名がつきました。

右側は、さらに小さいスズメサイズ。

その名もスズメノエンドウです。

 

じつはそれらの中間サイズの種類もあります。

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ちょっと珍しい植物なので、あまり名前が知られていません。

カラスとスズメの間なので、ハトか!?

と想像されたかた、素晴らしいです!

 

正解は、カラスの カ と スズメの ス の 間 で

カスマグサ(マ=間)と言います・・・

 

この正解をいうと

聞いた方の多くが「あぁ~~~↓」とトーンが落ちる

がっかりネーミングです。

でも、ネタとしては面白いかな、と^^;

 

ちなみに白菜につづき、キャベツの花も見つけました。

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黄色いアブラナの仲間の花で、どちらも似てますね。