戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

あなたの知らない世界?

豆をテーマにした企画展

「あなたの知らない豆の世界」が来週土曜日から始まります。

あと1週間の準備期間。焦ります^^;

 

ボランティアさんたちの協力もあって、

いろいろな種類の豆が集まっています。

他にも、木材として使われるマメの仲間(紫檀や鉄刀木)、

調味料や漢方薬になるマメ、

さらには のりに、染料に、と大活躍のマメの仲間を

ご紹介したいと思います。

 

今日は身近なマメの仲間 クズ について少々。

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つるで伸びて藪をつくるので、最近は厄介者扱いですが、

じつは、花を愛でる「秋の七草」の一種でもあります。

 

さらに高級でんぷん、葛粉の原料はこのクズのいも(地下茎)。

葛餅など和菓子に加工されたり、葛根湯にも使われます。

これは豆展で紹介したい!と

いもほりにチャレンジしてみることにしました。

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職員の協力で、大きな株を発見。

根本は男性の腕の太さぐらいあります。驚きです。

分類上は木ではなく草のはずなのですが、

茎の断面には年輪らしきものもできていました。

 

シャベル片手に掘り進めたのですが、ササの根が絡んでいることもあり、

いもまでたどりつくことができませんでした。

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無念です・・・

でんぷんをとるなら葉が落ちた、冬の時期がいいそうなので、

掘りやすそうな場所を選んで、またチャレンジしたいです。

 そしてでんぷんをとりだして、手作り葛餅を食べてみたい。

 

葛粉を製造しているとある会社のHPをみると、

60キロにもなるいもの写真がありました。

過去には最大200キロを超えるものもあったそうです。

 

 

クズの世界、奥が深いです。

こんな驚き、発見を、企画展でご紹介できたらと思います。

再び、暑さが…

今日は、夏のような気候に逆戻り!

 

陽ざしも強く、蒸し暑くなりました。

長野市街地は気温33℃を超えたそうです。

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このところ涼しくなってきたので、こたえますねぇ

 

 

朝の散歩では、柴犬館長とそば畑を見回ります…

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蕎麦の花も花盛り、

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月見草なども盛りです。

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空も秋らしくはなっています。

 

しかし、不安定な陽気に加え、台風も近づきつつあり、

用心が必要ですね。

 

裾花川の様子も久しぶりにチェック!

 

見るたびに様子が違っています。

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「ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」

 

諸行無常の教えです。

 

暑さ寒さも彼岸まで、なのでしょうか?

 

 

秋の実りとヤモリさん

館のお庭には

野良でいろんなものが生えてきます^^;

生ごみを減らす目的で

堆肥場があって

タネもポイするんで

芽生えてしまうのですが

今年はこんな収穫が

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白瓜です

まだまだ実りそうですので

必要な方がいましたら受付まで申し出てください

セルフで収穫できるかも?

 

 

そして

館で飼育しているヤモリさんは

帰省の際のお土産なのですが^^;

ただいま特大 大 中 小

と 4個体が元気にしています

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特大

みんなそれぞれ隠れる場所が最近きまってきたかな?

小さいやつらはけっこう動き回っています

ちいさなコオロギをたべつつ・・・

 

来館の折には4個体さがしてみてね

そして

小さめのコオロギを捕まえて

あげてください

けもの あらわる

今日は雨模様で、

飯綱登山を予定していた学校さんが見学にきてくれました。

 

元気な5年生です。

しかも、クラスの3分の1ぐらいの子が、

おうちの人と見学に来ている、化石クリーニングをしたことがある、

という子

さらに担任の先生も、ご家族でGWに来館されていた、

とのことで、

当館の認知度があがっている、と実感させてもらいました。

ありがたいことですm(__)m

 

今日は、学校でクラスのみんなと来た、

という楽しさを味わってもらえたでしょうか?

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毛皮コーナーが、いつも以上に盛り上がっていました^^

 

じつは午後に来館された、専門学校のグループも、

同じ盛り上がりをみせていました。

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8歳年上になると、腕がライオンになるようです^^

 

今日はオオカミになりたい血が騒ぐ日なのでしょうか?

満月ではないようですが。

楽しんでもらえて何よりです。

 

オオカミほど立派ではないですが、本当のけものもやってきました。

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ご近所でわなにかかったハクビシンです。

”シャー”

と威嚇してきます。

明日はお仕置きのため、「市中引き回しの刑」が執行される予定です。

今日はその前段階で、

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「専門学校生38名に囲まれるの刑」

そして「スマホ撮影会の刑」が行われました。

反省してくれるといいですが^^;

 

夏のなごり

戸隠はすっかり涼しくなってしまいました。

 

酷暑~長雨とお天気がめまぐるしく変化した夏でしたが、

これからすんなり秋になるのでしょうか?

油断せず、もう一波乱ぐらいありそうと覚悟しておいたほうが

よいかもしれません・・・

 

さて、そんな秋の入り口の戸隠ですが、

まだ夏のなごりの花をみることができます。

今年も咲いてくれた変化朝顔たち

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年を追うごとに管理がずさんになってきていて、

プランターには雑草がぼうぼう。

玄関に並べるところまでできませんでした。ごめんなさい!

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八重も少しだけ咲いてくれました。

毎年思いますが、ほんとうに朝顔とは思えない姿です。

 

今年は職員が別に育てていた 

しぼりがらの朝顔もきれいに咲きました。

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がらもきれいですが、大輪で存在感がすごいです^^

朝顔にこれだけの変化をもたせた、

人の品種改良への熱意もすごいと思います。

 

そういえば、この夏野外で、

野生のヒルガオの花に、こんな模様がついているのをみつけました。

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丸い穴がきれいに並んでいます! おしゃれです。

これが突然変異なら、品種改良の素材に使いたいところですが、

おそらくは虫のしわざ。

つぼみの時に、丸い穴をあけられてしまったのでしょう。

 

ササの葉にも、穴が並んでいるのをときどき見かけます。

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(先週とってきたので、しおれていました)

これも同じしくみで、ササの葉が伸びる前に、

細く巻かれていたときに、虫にかじられた穴です。

戸隠では、9つの頭をもった九頭竜様が、

かじっていった跡だと昔から信じられてきました。

 

戸隠らしい発想に感心させられます。

水の神、九頭龍様に祈ります。

あまり激しい雨をふらさずに、

無事に実りの秋が訪れますように。

 

実は奇跡的な結果

9月になりました

夏の企画展も本日が最終日

 

次の企画展は

「あなたのしらないマメの世界」

9/14(土)~12/1(日)となります

 

担当者に少し聞いただけですが

ついつい「へぇ~」とか「がってん」とか

そんなボタンを押したくなるような感じです

関係者ながらたのしみ^^

 

 

そんな9月の1日は

「自作トラップで生き物調査」の日でした

 

ペットボトルでワナを作り

池の生き物を捕まえて

魚(モツゴ)の標準体長を計測し

体長頻度分布のグラフをかいて

池の(モツゴの)状態を考えてみようというものです

 

今日の成果はこちら

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モツゴ(大漁です><)

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アカハライモリ(少なくなったな~)

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クロゲンゴロウとマルタニシ

マルタニシがトラップで採れたのははじめてかも^^;

 

 

そして

採集された202個体(過去最高タイ)をみんなで計測し

描いた体長頻度分布がこちら

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!!!!!

奇跡がおきた

!!!!!

 

正直 某職員の卒業研究で

13か月間 月一のルーチンワークで描いた

体長頻度分布のどれよりも美しい結果です

 

まさに理想のグラフ!

あまりのことにそのことを

イベント中にいうのを忘れるほど^^;

 

▼のピークがおそらく左から

0+ 1+ 2+ で 

それ以上は3+かと思われます

9.0cmという個体もいたので

ひょっとすると奇跡の4+かもしれません

 

0+が一番大きいピークを作り

世代が進むごとに逓減している様子は

見事としか言えません

 

あまりのきれいさに卒業研究でだしたら

データ操作・改ざんを疑われるかも^^;

 

とにかく

調査地のモツゴの状態は

とてもいい状態なのでしょう

 

ひょっとすると

イモリやクロゲンゴロウなどが減って

モツゴの競争相手

小さい時期の捕食者がいなくなり

他者の影響が小さくなることで

理想的な個体群構造になったのかもしれません

 

さてさて

来年はどうなるかな?

 

いまから楽しみです

あるところには

さわられてなんぼ!

思ってはいても

壊れされるのは

やっぱり残念・・・

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夏をこえて

見事に全壊な感じ^^;

 

ってことで

修復しました

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いまいちな くっつき方のものもあるけど・・・

とりあえず復活!

 

修理といえば

里帰りの途中で

こんなものを見ました

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潜水艦です

2隻修理中だということでした

ミツ〇シさんは潜水艦もやってたんだな~

っと 改めて思いさらされました

 

そして

 

新造船もありました

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これ1隻のお金があれば 

ここのリニューアルなんて

たやすいだろうな~

 

自分で買った接着剤で

ちまちま展示を直していて

ふと思ってしまった8月最後の日でした