戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

人より多い

暑さも和らぎ

すっかり過ごしやすくなりました

もう朝晩は寒いです><

 

でも

来週はまた暑いとか

みなさまご自愛ください

 

さて

当館のスーパーボランティアさんが

朝からやってきて

車あけろ 野菜あげるからと^^;

 

聞くと

サルにやられて

急ぎ収穫しているネギでした

 

おさるはネギ大好きだもんね

 

そういえば!

 

昨日見ました

 

サル

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スマホカメラの能力が今一つ

(自分の腕を棚上げしてますが・・・)

 

でも

映っているのは間違いなくニホンザルですね

しかも背中に小さい子がくっついています

 

運転中だったので

停車して

スマホ出して

拡大して

ピントあわせて

シャッターという手順に

間に合わず

映せませんでしたが 

実は親子連れの前にも

少し育った若者がいました

 

このところ見る

少数のオスの群れではなさそうです

 

 

 

開館した時分はサルはいなかったのに

この数年でずいぶんと増えてきました

 

イノシシも 

クマも 

増えている感じだし・・・

 

人の方がずいぶん少ないかも知らん 

ここ^^;

 

こんな研修ならいつでもいくぜ

某職員は昨日

お休みをいただいて

某団体の研修旅行(費用は自前)にいってきました

 

目指すは 岐阜県

シナイモツゴの親戚

ウシモツゴのすまう場所!

 

実は四半世紀以上も

シナイモツゴを研究しておきながら

生息地でウシモツゴを見るのは

はじめてという

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かわいい><

 

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この場所自体はオオクチバスなどを駆除して

ウシモツゴを放したそうで

もともとは生息地ではなく

公開しながら保護をしている場所だとか

 

しかもスタートはたまたま魚を取っていたら

見たことない魚が捕まったので

飼ってみたところ 

簡単に増えるので

面白くなり

捕まえた川に放していたら

その魚を捕まえるやつがいたので

話を聞いたら超貴重な魚がいるらしい

その魚はその人が増やしてたやつだったという・・・落ち

それもおいらが生まれたころの話らしい・・・

 

そもそも

止水域にすむウシモツゴ

川で捕まっていることが

けっこうな奇跡

 

しかも 

その川の周辺の池などでは

ウシモツゴが見つかっていないというから

超奇跡!

 

 

その後時が進み・・・

2004年に岐阜県ウシモツゴの保護条例ができたのち

増やした子たちを池に放流することとなったそうで

放流候補池にはオオクチバスなどがいたので

1度水を抜いて完全駆除したものの

翌年には再度バスが放流されていたので

2度干しして駆除し 放流したそうです

さらに

ロープなども張って

ルアー釣り対策もしているとのこと

 

ほかにも

その地域のバス釣りのメッカだった池を

バス放流との闘いを超えて

バスのいない池に変えたそうで

5年以上かかったとか・・・

頭が下がります

 

その後はウシモツゴの系統保全もしている

アクア〇トでバックヤードツアー

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(問題ないだろう写真だけあげておきます)

動物園やら博物館のバックヤードは

何度も経験がありますが

水族館は学生時代以来 久しぶりで

個人的にはもう大興奮!

鼻児が止まらん勢いです><

 

そこでは

稚魚期のエサの工夫なども聞けて

ここでの飼育の参考にもなりそうでした^^

 

フロントヤードもそれは楽しく

最新研究も反映されている展示に

はたまた大興奮><

 

あまりの興奮度合に写真がみなぼけているという^^;

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タニガワナマズ

まだましな方ですが

最近あたらしい種となったナマズです

長野にもいるはずと

なめまわすように見てきました

 

 

ここでは専門家が採集 種同定し

DNAまで調べた上で展示しているそうです

 

他にも

ナガレカマツカだとか 

ドジョウの仲間や

細分化されていくサンショウウオなど

専門家もじっくりみたいものが展示されており

なかなか進めない>< 

進みたくない展示でいっぱいでした

 

実際

気づくと一緒に行った人間はいないということが何度も・・・

 

 

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まだましに撮れた子たち

f:id:Naturalhistory:20190829160551j:plain(日本産ではない子 名前はわすれた^^;)

 

楊枝を加えているように見えたカエルさん

ただそれだけで

サンドガサタビガラスガエルと名付けたくなった

 

どれだけテンションが

普通ではないかが

お分かりいただけたと思う

 

朝4時起きで 

帰還は21時でしたが

いい研修でした

 

明日にはローテンション(冷静)になります

小さな虫にも

五分の魂・・・

生きとし生けるもの、全てにそれぞれの価値があり

ことさら主張するでもなく、日々を生きている・・・

 

がしかし、

嫌いなものはどうしても目に入ってしまうようで、

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雨の合間をぬって植木の剪定をしていた学芸員

天敵のアリの集団を発見しました。

しかも丸いこぶ状の塊にむらがっています。

正体を究明するよう、指令が下りました。

 

おそらくコナラの枝につくる虫こぶかと当たりをつけて

検索してみるとすぐにヒット

便利な世の中ですね^^

 

「ナラエダムレタマフシ 楢枝群玉附子」でした。

虫こぶの名前のつけかたは、

「植物名+部位+形状+ふし(虫こぶのこと)」

の順番と決まっているので、わかりやすいです。

この虫こぶをつくったのは、ナラエダムレタマバチ とのことで、

ハチの仲間でした。

 

しかし学芸員にとって問題は、なぜアリが群がっているかということ。

その答えは、虫こぶが蜜を分泌しているから!でした。

もともと、コナラの枝には蜜を出す器官はないのに、

虫こぶになると、分泌器官がつくられ、甘い蜜を出すようになるそうです。

アリに蜜を提供することで中のハチの幼虫が守られる、

ハチとアリは共生をしていることになります。

 

しかし、虫こぶを作られ、糖分まで提供することになってしまった

コナラの立場はどうなるのでしょう?

いいことがあるのでしょうか? 不思議です。

人などが気にしなくても、

それぞれ自分たちの生をまっとうしている生き物たち。

そんな姿をみて、勝手に気にし始めた人を悩ませます^^;

 

さてさて、

多目的室前のツバメのヒナたちが3羽とも無事に巣だち

安心していたのですが、

先ほど、3羽とも出戻っていることが判明!

 

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雨ですし、わざわざ濡れることはないですものね^^;
そう思いはするものの、巣立つ姿を見送ったものとしては、

ちょっと肩透かし。

(これも人の勝手な感傷です)

生まれた家の周りでしっかり体力をたくわえて、

今後の長旅に備えてもらえればと思います。

足を伸ばして

昨日、志賀高原から奥志賀、雑魚川(ざこがわ)沿いを調査してきました。

 

火山が作り出した景色、大小さまざまな池や湿原があって

やはり魅力的な場所です。

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こちらは田ノ原湿原

点々とイワショウブの白い花が咲いていました。

案内看板には、江戸時代に、地元のかたが温泉熱を利用して

稲作研究をされたことからついた名前だとありました。

豊富な資源をつかった発想に感心します。

その研究成果がどうなったのかも気になるところです。

 

志賀高原を北上し、雑魚川に沿って栄村へ。

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大滝(おおぜん)が雄大な姿を見せてくれました。

最近の雨のためか、水量も豊富です。

 

この滝の上の面から上流にかけては、

2000~1500万年前にかけての海底火山の堆積物

グリーンタフ(緑色凝灰岩)が硬い岩盤をつくっています。

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水しぶきでわかりにくいですが、

川底が一面くすんだ緑色で、凝灰岩の層になります。

 

この凝灰岩が堆積したとき、一帯は2000m以上の深い海の底でした。

今では1000m以上の山の上です。

戸隠を含め、長野県北部一帯の隆起量には驚かされます。

 

「全てのものごとの根源にジオがある!」

という学芸員の大きな声が聞こえてきます^^;

 

ジオ(大地)の上に咲く花もきれいでした。

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キキョウの仲間、ソバナがちょうど見頃。

戸隠ではあまり見られない植物も多く、楽しく歩きました。

時には戸隠を出てみることも大事、ですね。

8月最後の日曜日

夏休み最後の日曜日ということでしょうか?

今日は化石クリーニング教室もありましたが

100名近くの来館がありました

びっくりの大入りです><

ありがとうございます

 

そして 今日もいい化石がでました

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夏休みのいい思い出ができたでしょうか?

 

 

そういえば先月中ごろに見つかった

青いアマガエル

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20190717撮影

 

来た時よりも大きくなり

この頃はずいぶんと落ち着き

すっかりこんな色に^^;

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すっかりグレー

アマガエルは4色(黄色 青 虹色 黒)の色素をもっていて

青い子は黄色がないので 緑 ではなく 青 になるようです

でも グレーにはなれるので

成長し 落ち着いてくると青くなくなってしまいます^^;

うれしいことなのですが

どこか残念な気も・・・

 

そうそう

ツバメは巣立ちまではあと少しかな~

そちらはまたお知らせするとして

 

まだ暑かった日のこと

ツバメも暑かったらしく

日陰で涼んでいました

 

ひょっとしてシャッターチャンス?と思い

パシャリ

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ツバメまで6mくらい

まだいける?

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3m

まだいけそう

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2m

まだまだいける?

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1m

もうちょい・・・・

 

とはいきませんでしたが

かなり近くまで許してくれました

 

やはりかなり暑いので

逃げるのも億劫だったのでしょうね

 

この頃は朝晩は涼しくなってきましたので

みなさま体調管理には十分注意してくださいね

 

新学期もファイト!

野外を歩けば

今日は植物観察会で、飯綱高原を歩きました。

雨率の高いこの行事ですが、今年は初回の4月の吹雪以外は

悪くないお天気です。

初回の強烈な天気で、1シーズン分の厄が落ちているといいのですが^^;

 

高原はすでに秋の気配で、オミナエシやススキ、ツルリンドウの花も見られました。

大型セリ科植物、ヒュウガセンキュウも白い花を咲かせていました。

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これまで県内でオオバセンキュウと言われていたものの多くが

最近、この種だったことが研究で明らかになりました。

南国、日向の名前がついた植物が、信州の高原で普通種だなんて、

不思議な気分です。

なお、宿題だったセリ科植物は、オオカサモチでOKでした。

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Y沢くん、いつもありがとう!

 

皆さんと歩くと、下見の時以上の発見が次々にあって本当に楽しいです。

植物はもちろんのことながら、今回は虫がヒット!

 

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ノイバラの茎についた虫こぶです。

ノイバラの組織がこぶ状に膨らんでいるので、

とげつきのボールになっていました。初めて目撃しました!

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まるで実みたいですが、虫こぶです。

中のうごめく幼虫も確認しました><

「バラハタマフシ 薔薇葉玉附子」という名前で、附子=こぶ のことだそうです。

バラハタマバチというハチによる虫こぶでした。

 

もう1種は、こちらの小さなチョウ

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ゴイシシジミ

アブラムシ(白い点々)がついているササの葉にとまっていたので、

もしかしたら、と話をしていたのですが、

調べてみると、確かにアブラムシの甘露を餌にするチョウでした!

しかも、その幼虫はアブラムシを食べるという完全肉食で、

そうした生態をもつのは、日本では、このチョウだけだとか。

さらに、その餌とするアブラムシの種類まで、

ササやタケにつく仲間(ササコナフキツノアブラムシなど)と

かなり限定的だそうです。

 

植物がいて虫もいて動物もいて、たくさんの生き物からなる自然の奥深さを

ちょっと垣間見ることができたような、そんな観察会でした。

 

里帰りの一コマ

お盆明けにちょっと帰省してきました

佐賀県まで

往復2300kmくらい?

 

ここ5年で 7往復してましたが

実は有明海を見に行ったのは初めてで^^;

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しかも ちょうど引き潮!

見渡す限りず~っと干潟・・・

 

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横を見ても ず~っと干潟!

山はどこだ!

長野と違うぞ!

 

足元に目をやれば

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カニトビハゼなどもあちこちたくさんいて

長野や新潟の海とは違う風景に

ちょっと感動

 

ただ

 

残念ながらムツゴロウは見つからず・・・

次回はぜひ!!

 

 

実家近くの水路に 夜 探索に行くと

15mほどの間に40㎝級のナマズが4匹確認できたり

メダカ、モツゴ、タナゴの仲間、オイカワなどの魚影も濃いこと><

 

実家の壁をヤモリがたくさん歩いていたり

足元ではヌマガエルがこれでもかと跳ねていたり

(正直踏まないように歩くのに気を遣うレベル)

普段とは違う生き物や自然にも感動

 

これまでゲームばかりだったこどもたちが

少し行動的になってくれたおかげで

これまで気づいてなかった自然や生き物にふれられる旅でした

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子ども館長だったうちの子も少し成長

最近は釣りにも興味が出てきた様子

この日は小一時間でオイカワ7匹

 

某職員の里帰りのご報告でした^^;