戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

秋深し…2

毎朝の館長視察に同行しています。

 

今朝は寒くなりました…(-_-) もっと寝床でぬくぬくしたい!

 

と、思いつつ、歩いています。

 

秋は、いろんなものが実る季節でもありますし、

それを見つけて、食べる獣たちの痕跡も見つかります。

 

その1

 

アケビが食い散らかされていました。

うーん、犯人は不明…

 

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その2

食べれば、排せつは必然です。

こんな赤い実の入ったフンを発見

 

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ほぼ未消化のようです。

 

イチイの実でしょう…

今が熟れ時です。

 

種には毒があります。くれぐれもご用心!

この主も、そのことを知っていてのみ込んだか???

 

イチイの実は、薬屋さんが買っていくのだ!という話を同僚から聞きました。

50年ほど前のことで、買取価格は不明です。

 

まさか、忍者の暗殺用ではないか?と勘繰りましたが、

薬効もあるとのこと、

 

まさに、毒にも薬にもなるそうですが、お気を付けください。

 

その3

 

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人もソバの実を刈っていきました。

食は大事!

 

館長も、おいしいおそばになあれ!と祈っています。

この冷え込みで、糖度よ上がれ、!!!

 

 

その4 

 

朝、グラウンドにイモリがいました…なぜ?

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なぜ、冷えた朝にいるのじゃ???

 

館長も不思議そうでしたが、あまり興味がないらしい!

 

こんな寒いとこにいて、大丈夫か?君は?

 

寒さで、ぐったりしています。

救急車を呼ぶこともできず、館長の指示で、そのままに任せました。

彼の無事を祈ります。

 

まさに、

「秋深し となりは 何をするイモリ」

 

おあとがよろしいようで…

 

 

 

大事な骨がみつかった><

この頃慌ただしく

ついつい いろんなことを

後回しにしてしまってました

 

先月末に実習生が洗ってくれた

骨たちの整理もそうで

ようやく昨日おわりました><

2週ほどおくれた・・・

 

その際にでてきた骨をご紹介

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ニホンザルの幼体の大事なところの骨です

 

男性にしかない骨で

何かの規制にひっかかると困りますが^^;

おちん〇んの骨です

陰茎骨といいます

 

そもそも多くの生物群が持っていて

サルの仲間も例外ではないのですが

ヒトはなくしてしまった骨です

(万一俺は持っているぞという方がいたら

将来でいいので ぜひ!ご寄贈ください)

 

今回の発見は

これまで見てきた

ニホンザルのこの骨の中で

最小です!

さすがあかちゃんのです

 

参考までに画像を並べてみました

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大人になると15mmくらいになりますが

形も太さも随分違います

意外とバリエーションがあるもんです

 

きちんと解析したわけではありませんが

この骨と体の大きさには相関関係はなさそうでした

 

大事なところのサイズ差は

対格差ではないのはサルも同じということ^^;

 

今回のは5mmほど

小さい><

 

実はこれまで

この骨は軟骨組織からはじまって

成長すると骨化するので

小さいときのものは残らないかな~と

思っていました

 

なので 

今回のこの発見はちょっとうれしい

 

数も少し集まってきたので

そのうちニホンザルだけの

コレクション展示も

してみたいと思います^^

秋も深まりつつあり 第2弾

師匠と巡る戸隠キノコツアー 第2弾

 

師匠のご希望もあって、

師匠がいつも行かない博物館の近くの山を

偵察がてら、まずは小生がご案内。

 

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有毒ニガクリタケはあちこちで見つけられたのですが、

なかなか、これっ!というものが見つからず、

諦めて師匠の行きつけの場所へ移動^^;

 

途中で、針葉樹にはえるミヤママスタケを車中から発見する師匠!

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きれいなサーモンピンクが目立つとは言え、さすがです^^!

 

移動先は師匠の庭

下ばかり見ていると、その姿がすぐに消えてしまいます。。。

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追いついたときにはすでに採集されていた

クリタケ(*^-^*)

今年初ものだそうです!

 

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ハナイグチより味が濃いと言われるキノボリイグチ

 

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魅惑的なムラサキアブラシメジモドキ!!

 

最初に掲載したニガクリタケ以外は食べられるキノコです。

調理法も教えていただきながら、

今回もキノコワールドを堪能させていただきましたm(__)m

どっぷり沼にはまりそうです! 

また次回もよろしくお願いします 師匠!!

 

 

 

台風がそれたおかげ!

金曜日ごろまでは台風が直撃になる週末になる、

との天気予報でした…

 

奥裾花への地層見学も、中止えざるをえないかなぁ、と思っていたところ、

台風は、南へ方向転換していきました。

 

きょうは、なんとか風も収まり、無事開催の運びに…

 

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千畳敷岩の向こうには晴れ間も見えます。

 

よかった、よかった!

 

こんな形で、約300万年前の地層をずらっと連続してみることができます。

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まさに、信州のグランドキャニオン…

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紅葉も始まりました!

 

来週末には見頃になりそうです。

 

ぜひお出かけ下さい。

 

河原におりて、石ころを観察していたら、瑪瑙の原石もみつかりました。

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参加者のなかには、大きなものを見つけた方もいて、

大喜び!

 

楽しい観察会になりました。

 

台風がそれたおかげですね、感謝したいです。

見習いたい・・・

10月10日は晴れの特異日のはずだったのですが

台風が接近中でお天気が悪い週末となりました。

気温もあがらず、ときおり

 ぴゅお~~~~~

と音をたてて、木枯らしを思わせる風が吹きます。

 

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頭の重いダリアの茎が折れてしまいまいた・・・(-_-;)

寒暖差がないまま気温が下がっているためか、

モミジの色づきも今一つのように思います。

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このまま散るだけだと寂しいですね。。。

 

こんなお天気でも、ありがたいことに

お客様がけっこう来てくださる!

職員が受付をしつつ、時々奥でごそごそしているな、と思ったら

風で折れたサクラの枝や葉を材料に、

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草木染の実験をしていました。

布を媒染液につけるタイミングを、染色の前と後で比べるというもの。

 

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写真のは全てサクラの葉の染液で染めていて

下段が先媒染、上段が後媒染

左から媒染剤が ミョウバン 銅 鉄 です。

 

布を先に媒染液につける先媒染のほうが

色のでかたが良いことがわかりました。

 

  寒い寒いっ

  風がぴゅーぴゅー 吹いているよ~~

 

などと私が言っている間に

手に入った材料を上手に利用して

ちゃくちゃくと仕事を進め

きちんと成果を出している!

 

頭が下がります。。。(-"-)

 

私も見習って明日は仕事を進めよう!(進めたい!^^;)

 

 

お手柄^^

今朝も早くから地層見学にくる団体さんがあったので、

9時前には留守番状態。

そこに一本の電話が・・・

 

ぼうけん団員のHくんが通う小学校の先生からでした。

 

 学校の敷地内に今朝落ちていた鳥の死体を

 博物館へ届けるべき、とHくんが主張している。

 まずは冷凍しなければ、というが

 学校としては冷凍庫に死体を入れたくない・・・

 Hくんの熱意はわかるが、

 博物館のかたから 処分を学校にまかせると

 ひと言お墨付きをもらえれば、ありがたいのだが・・・

 

とのことでした^^;

 

で問題は、死んでいる鳥が何かということ・・・

 

 オレンジ色で どうやらフクロウの仲間らしいです。

 

えっ! それってもしかして・・・!!

いやいや処分しないで!

とりあえずHくんに預けられれば・・・

今日は寒いし冷凍しなくても1日ぐらい大丈夫でしょう。

 

という大雑把な職員の提案に対して、さすが学校さん

 

 子どもに死体をもって下校させるわけにはいきません。

 とりあえず、お母さんに連絡をとってみます。

 

ということでその場は決着しました。

 

それから2時間ほどして、

お母さんが博物館へその鳥をもって来てくださいました。

 学校から電話があって、何事かと思った! とのこと。

そうですよね。本当にお騒がせしてすみませんm(__)m

 

でも、息子さんの主張のおかげで

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コノハズク 赤色型個体 を入手することができました!

Hくん 大手柄!^^!

 

しかも、以前から学校で目撃していて

カラスに追われる姿も見たとお母さんに話していたとか・・・

さすが ぼうけん団員です! 偉いっ!!

 

体長20㎝ほどの小型のフクロウ類(ムクドリより小さい!)

長野では夏鳥ですが、近くで繁殖していたのでしょうか?

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かっこいいです!

 

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爪も立派!

大型のガなどの昆虫を捕まえて食べるそうです。

 

そして コノハズク と言えば必ず話題になるのがその鳴き声

 

 ブッ キョッ コーー 

 

夜、森から聞こえてくるこの声を

 仏法僧 と聞きなしをして、

名前がついてしまったのが こちら

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ブッポウソウ

 

本当はコノハズクの声だったのに

この青い鳥の声だと 勘違いされてしまったのです。

 

なので、こちらの鳥を 姿のブッポウソウ

コノハズクを 声のブッポウソウ

 

と呼ぶこともあるのだそうです。

しかもその声の正体がわかったのが、昭和になってから

というのですから、いやはや・・・

 

紆余曲折を経たのは、今回の博物館に届くまでも同じ。

Hくんご家族、そして学校の英断に感謝します!

ありがとうございますm(__)m

当館自慢の標本たちが出陣しました

いやはや

今日は寒い><

手が冷たくて打ち込みもミスる

 

そのせいか お外では

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もやもやしてます

 

 

そんなすっきりとしないお天気のなか

ある意味ぽいのかもしれませんが・・・

 

角川武蔵野ミュージアムで11/6より開催される

kadcul.com

への

借用作業が昨日今日と行われていました

 

当館からは17点ほどがお上りします^^

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骨部屋で梱包される標本たち

プロの作業を間近でみられて楽しかった^^

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積載中~

 

普段

割と雑に扱われる標本たちも

今回ばかりは特別待遇^^

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専用の箱を用意してもらっていたり

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ここで運んだら

助手席にそのままぽいっと

のっけて行きそうな標本も

ふわふわの綿に包まれ

大きめの段ボールに丁重に梱包されました

 

きっとこの機会を逃すと

二度とない超VIP待遇!

 

そんなVIPな標本たちが

どんな風に展示されるかは

企画展を見てのお楽しみ!

 

ってか 知らないし^^;

みたら是非教えてください><

行けるかどうかわかんないので