戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

セイウチの祖先を包む

11月5日から長野市生涯学習センターでは、化石の巡回展が始まります。今日は、荷物の積み込む前に、レプリカを包装しました。運搬途中に、レプリカが壊れないようにするためです。

顔だけ出しているオントケトゥス。
オントケトゥスは、セイウチの絶滅種、つまりセイウチの祖先といえるものです。その昔、中条で発見されたオントケトゥスという頭骨の化石があります。およそ400万年前の化石とされています。これはそのレプリカ(複製)です。この化石は、セイウチの仲間の進化を知るうえで重要なものになっています。この化石がみつかったことで、セイウチの仲間は、従来いわれていた大西洋だけでなく北太平洋でも進化をしていたという証拠の一つとなりました。

これが全体を包装された完成品。
このような姿で、あした生涯学習センターへと旅だちます。よい旅を。