戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

本日の標本整理の目玉

あいかわらずの標本整理の中…今日も珍しいものが!
化石採集会で行く場所の化石ですが、
採集会ではあまりでたことがないものです。

2枚の写真は同じものの表面と裏面です。
これを見てピンッときた人は、かなりの通です。
大きさは3mmです。


お菓子でこんなの見たことあるような気もしますが
これは魚の「耳石」です。
耳石は別に音を聞くためのものではなく
平衡感覚にかかわるもので、いろんな生物がもっています。
脊椎動物では耳石の周りに繊毛があって、
傾くと力の加わり方が変わるので傾きを察知できるそうです。


種類ごとに形状がちがい、死ぬまで成長するため
年齢査定に使われます。
また、魚の場合住んでいる環境(海、淡水)で
耳石を作る成分も変わるので
どの年齢の時どこにいたかもわかるんですよ。


こいつはメバル属(Sebastes sp.)のものによく似ていました。


耳石はサカナの骨の中では比較的硬いので
化石としても残りやすいところです。
それでもなかなか見つからないのは、
小さいことや変わった形をしているからかな?


小さいながらこうしたお宝を目にすると
しっかりと目を留めて見ることの大切さを
標本整理の作業は教えてくれているように感じました。





ちなみに40000人まで、あと73人です。
結構減りましたね。