戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

鑑定

お天気がすぐれない週末となりましたが、遠くからも足を運んでいただき、ありがとうございました。気候のいいときに、また遊びに来て下さいね^^


さて本日、ボランティアグループ解剖団の重鎮が持参されたのは、自宅に眠っていた岩石標本。
どうも子どもの頃、おそらく50年近く前に集められたものらしいのですが、ご本人もよく覚えていないとのことでした。


ラベルが古めかしい小さな岩石標本セット。


家の近くで採集されたものらしい二枚貝の化石。


他にも、種類も大きさも様々な岩石が、これまた古めかしい木箱から次々飛び出てきました。


「どうして集めたんだろうね〜〜〜」
とご本人は首をかしげますが、少年がわくわくしながら箱をのぞいているあたたかい光景が浮かんでくるようでした。


そして職員が特に注目したのは、木箱のふたに描かれた直筆イラスト。

十字架を背負った美男、天草四郎のようです。
「読んでいた本の挿絵か何かを写したのかな?」
とのことでしたが、きっととても好きな本だったのでしょうね。


岩石標本は大地の歴史を語りますが、人が集めたものは、その人自身を語っているんだな、としみじみ思いました。「人に歴史あり」ですね^^


「是非、箱ごと大事にとっておいて下さい」というのが職員の鑑定結果でした。