戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

♪遠い島から

流れ着いた椰子の実が1つ〜♪
と、思わず口ずさんでしまう、
ヤシの実は、遠く南の島から海流にのってやって来るもの、、、


当館の学校資料の中には、
子どもたちにそんな遠い南国を想像させるようになのか、
色々なヤシの実があります。


大きなココヤシ、小さいほうは硬い殻の象牙ヤシ。


ヤシの実の工芸品も。

花入れでしょうか。おサルの顔のようになっています^^
(ココヤシの「ココ」はもともとサルという意味だそうですよ)
まん中の種の周りを厚く繊維が覆っていて、水に浮きやすくなっているんですね。



そして、今日ご紹介したいのは、そんなヤシの仲間でも、
変わり者中の変わり者!!



フタゴヤシ(オオミヤシ)です!!!

世界最大、最重量の種として知られています。
種コレクターとしては、いつか実物をと願ってやまない一品です。
そうれがとうとう遠い島、セイシェルからやってきました^^
(インド洋のセイシェル諸島にしかはえていないヤシだとか)
本当に、大きいですね。
最大で50㎝にもなるというのですから、驚きです。


2つに分かれているように見えますが、これで1つの種。
その特徴的な形から、「ビーナスのおしり」というニックネームがついているほど。
そして、もう一つの特徴は、海に流れていかないヤシの実だということ・・・
木の上で4,5年もかかって大きくなるこの実は、重くて海流にのらないそうです。
セイシェルにしかはえていない、というのも、そんな理由があるからだそうです。


流れ着かない変わったヤシの実ですが、
はるばる海をこえ、遠い旅を経て長野の山奥へやってきました。
ぜひ実物を見てほしいです。今なら触れますよ^^