戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

正体

先日、動物園の飼育員さんから、宿題をいただきました。


温泉に入るおサルさんで有名な、志賀高原野猿公苑。
その駐車場に生えている木の実をおサルが食べていた、、、
その実は何?? というものです。


手がかりはおサルさんが食べ残した実。

すっかりフリーズドライです・・・


直径は4㎝くらいあって、中には大きな種が1つ。
スモモサイズですが、種の形が違うようです。


試しに乾ききっている果肉の部分を湿らせてこそぎ落してみたら、

縦の彫がしっかりした種です。


野生のものではない、という以外、なかなか思い当たるものがありません・・・・


色々調べながらも、もんもんと数日過ごしましたが、
あきらめてS大学の植物の先生にお伺いをたててみることにしました。
(施設が現場に近い、ということもありまして^^)


さっそく次の日には回答をいただき、
ハンカチノキという木の実だということが判明!
さすが先生、素晴らしいです。ありがとうございます^^



その木とは、図鑑によると、中国原産のミズキに近い仲間で、
大きな白い葉(苞葉)が2枚、花を覆っているようすから、名づけられたそうです。
清楚ですてきな姿なので、名前は知っていたのですが、
実がこんなに立派なものだとは知りませんでした。
しかも、野猿公苑にはえているとは!!


5月下旬が花期だそうですので、花をぜひ見に行きたいです。
それに、この実がどんな味なのか、たしかめてみなくては・・・^^