戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

終わりましたが・・・

先週末で終了した春の企画展「戸隠の植物」では、
戸隠を代表する花、トガクシソウ(トガクシショウマ)に関する資料を中心に
展示しました。


どうして2つの名前を持つようになったのか?
長野師範学校の校章にデザインされたのはなぜなのか?
といった、歴史についても紹介させていただきました。


それらを裏付ける、長野のシンボルとしてトガクシソウが描かれた
明治から大正にかけての本や絵葉書。
企画展が始まってから発見されたので、
残念ながら皆さんにお見せできなかった資料について、
今日はご紹介します!



まずは岩波書店発行「日本アルプス登山案内」という、登山のガイド本です。
大正5年の発行で、昭和初期まで版を重ねた人気の本でした。

その表紙がなんとトガクシソウ!
明治時代に戸隠に次いでトガクシソウが発見されたのが白馬なのですが、
さまざまな高山植物が見られるアルプスの案内本の、
表紙をトガクシソウがかざっちゃってます!!


今なら高山植物の女王、コマクサのポジションです^^;



次は大正3年の消印がある戸隠山登山記念絵葉書です。

素敵なトガクシソウのカラーイラストに目を奪われてしまいますが、
下の部分にもご注目!
シャベルと一緒に描かれているのは、野外で採集した植物を入れておく、
肩掛けひもがついた「胴乱(どうらん)」という入れ物です。


その中に納まっているのは戸隠神社の奥社の社殿の写真・・・
胴乱に入るはずの花が大きく描かれ、社殿を中に。
なかなか斬新なデザインは、ちょっと微妙。。。。


それにしても、絵葉書に描かれた野生植物の中で、
トガクシソウはかなり初期のもの、もしかしては日本初かも!!?
という話題が企画展のさなかには聞かれましたが、
そのあたりも調べてみたいな、と思っています。
情報お持ちの方、ご一報ください!!


夏の企画展「みつけてみよう!水辺の生き物」の準備も着々と進んでいます!
お楽しみに〜〜^^