戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

落穂ひろい

教科書展では紹介しきれていなかったものがあります。

それがとても面白いので、ここで紹介することにします。

その1 海軍兵学寮の教科書

 海軍兵学寮は、徳川幕府のつくった海軍操練所を引き継ぐ形で、東京 築地に

 あったものです。その後、海軍兵学校となり、広島県江田島に移ります。


 これは明治6年の教科書です。

 のちに海軍大臣や首相を歴任する山本権兵衛らが学んでいた時代ですね。

 レアものです。坂の上の雲ファンの私としては、すごい!感動!


その2 慶応義塾の教科書

 表紙に「慶」・「応」・「義」・「塾」と染め抜かれた和とじ本の教科書

 これも明治初期のものです。

 福沢諭吉先生の編纂したものもあり、彼の多彩さがうかがえます。



その3 明治教科書の挿絵

 望遠鏡と顕微鏡を紹介した、国語読本の中のもの!

 オランダの眼鏡屋の息子が、偶然に発見したものが、望遠鏡だそう!

 そんな記述の中に、こうした挿絵がありました。

 顕微鏡の挿絵は、以前にこのページでも紹介したものとほぼ同じもの!


 いやー これもすごい発見です。感動!



その4 非常時経済への協力と簡易保険の利用

 教科書の中にはさまっていたパンフレットです。

 戦費調達のため、つくられた制度「簡易保険」

 そんな時代を感じさせる表紙の図柄です。

 「銃後」「一億一心 百億貯蓄!」「欲しがりません、勝つまでは!」

 などという言葉が脳裏に浮かびます。




その5 明治初期の理科の教科書「登高自卑」の中の挿絵「万物無尽蔵図」

 すべてのものは、循環していることを理解させるための図ですが、

 当時の教科書の挿絵としては珍しい見開きになっています。





 すごい、著者の思いが伝わります。

 この挿絵だけで、科学の根本原理を紹介しようとしたのです。




いやはや、教科書の世界も発見がいっぱいあります。

皆さんに、もっと見てもらいたいなぁ…