戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

これは、これで笑えました…

今日は、春の霞なのか、黄砂なのか、空がうすぼんやりとしています。

 

館内はひんやりしていて、寒いです。

 

陽があたる外は暖かいので、時々、暖をもとめて、外へでています。

この時期に見られる、博物館職員の生態

 

「ウミイグアナ生活様式…」

 

 

 

閑話休題

 

今週末から始まる、企画展の準備中です。

 

展示する理科の教科書をいろいろと見ています…

 

昔の教科書は、スケッチで理科の内容を伝えています。

 

先日、模型を紹介したお蚕様の関連のものがありました…

 

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かなりの分量が割かれています。

 

 

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お蚕様の中を模した解剖図もあります。

 

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繭を煮て、糸をとりだす、座繰り製糸の風景もあります。

 

富岡製糸工場、女工哀史ああ野麦峠、などの単語が連想されます。

 

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海生哺乳類の挿絵ですが、「らぢく?」、「かるい?」 「そうはか?」

 

「らつこ」はかろうじてわかりましたが、顔が変なです…

 

その隣のページには、陸生動物のものもありました…

 

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「いさ」「らぐも」「りもうか」等々、これは面白い…

 

「うやじうやし」…こうなると、お手上げです。

 

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これには、柴犬館長も脱力です…

 

🐕「な、なんじゃ、こりゃ…わしもわからんぞ…」

 

「猩々」のことですな、オラウータンの古い呼び方…

 

 

別の教科書には…

 

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裾花川の白岩付近で、川の様子を学習する挿絵…

 

 

 

川がどんなふうに流れているのか、

どんな生き物が暮らしているのか、を課題にしています。

さらに、川の中の砂や石ころを虫メガネで調べよう、

なんて課題もあり、総合学習の走りとも言えます。

 

実物にまさる教材なし…といった感じです。

 

さすが、信濃教育会編纂の教科書…

保科五無斉の影響が見て取れます。

 

 

さて、教科書といえば、こんなものも残っています。

 

そう、落書きです。

 

誰もが一度はやったはず…

 

90年以上も前の子どももそうでした…

 

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おひさまが書いてあったり、

教科書の挿絵の写し…

 

かれは、絵がすきだったのでしょうか?

それとも、暇つぶし?

 

その次のページには傑作が…

 

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「色々の実験」のページには、

おそらく理科の先生の似顔絵でしょうか?

書き加えてありました…

 

 

これには、みんなも大笑いです…

 

一生懸命に書いたのでしょう…

 

彼はこの先生が好きだったのかもしれませんね…

 

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これには、柴犬館長も微笑んでいました…

 

🐕「子どもはいつの時代もかわらんな… よく見つけたぞ! 面白い!」

 

おほめをいただきました。

 

企画展では、こんなものも紹介していきます。

 

今日もおあとがよろしいようで…