戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

カミキリムシの好み

職員が玄関の外にある水道まわりを掃除しようとしたところ、

きれいなカミキリムシを見つけました。

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ベニカミキリというそうです。

 

図鑑には、「成虫は、クリやアカメガシワの花に集まる」

「産卵場所は枯れたり伐採された竹類」とあります。

 

しかし今回みつけた状況は、

職員が外の水道の排水桝にたまったヘドロをさらうために、

ふた(グレーチング)を持ち上げてみたところ、

排水パイプのふちにとまっていた、とのことです。

 

クリの花・・・・枯れた竹・・・・排水桝・・・・

この3つがつながるのは、もしかして・・・

もったりとした 臭いにおい!?

このカミキリを発見した職員が、腐った竹も独特の臭みがある!

とひらめきました。

 

さらに図鑑の記述によると

「成虫は手でつかむと、強烈な刺激臭を放つ」とあります。

今回は弱っていたためか、それは感じませんでしたが、

臭いもの好きな虫で、体に臭いをため込んでいるのでは?と

勝手な想像をしてしまいました^^;

 

カミキリムシつながりで、こちらは少し前のことです。

戸隠の山中で、ヤマシャクヤクの花の中に

カミキリムシをみつけました。

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ヤマシャクヤクの花びらや花粉を食べる

フタスジカタビロハナカミキリ です。

おかげで花はぼろぼろ・・・><

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こちらの花には5匹も^^;

シャクヤクの花が、食事の場と出会いの場を兼ねていました。

交尾後、近くの枯れ枝や落葉に産卵し、

幼虫はシャクヤクの生きた根茎を食べて育つそうです。

 

貴重なシャクヤクに頼りきりのカミキリムシ。

ちょっと手加減してもらわないと、

花も人も、それにカミキリムシ自信も困ったことにならないかな、

と思うのは、またもや余計なお世話ですかね。

(もちろん人は、

山からシャクヤクやカミキリムシを採ってはダメですよ!)