戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

実習生と学ぶ、北部フォッサ・マグナの地質

今日も猛暑が続きます… (*_*;

しかし、積乱雲が午後になると発達するのか、このところ夕立がすごいです。

局所的に雷雨となり、昨日も土砂災害警戒情報が発令されました。

 

浅間山の噴火もあり、台風が直撃しそうな雰囲気もあり、で

気がかりなところが増えつつあります…

 

裾花川も一気に水位が上がったりするので、

川の流れの変化が激しいようです。

いわゆる「網状河川」ような感じです。

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そんな中、実習生をつれて、鬼無里へお遣いに…

鬼無里ふるさと資料館の名物「祭り屋台」を見せたかったこともあるし、

戸隠と鬼無里の地質的な違い、を見てほしかったためです。

 

 

 

 

 

大望峠から、戸隠連峰西岳の絶壁をみたり、

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北アルプスを眺め、海岸平野だった名残の地形面(大峰面)をみたり、

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人々がなぜ、この地を選んで暮らしを営んできたかを考えてほしいからです。

 

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こののどかな田園風景の中にも、活断層が見えます。

画像奥に見える戸隠支所と、手前にひろがる水田は同じ高さにありましたが、

現在は段差となっています。

支所部分が隆起し、手前は相対的に沈んだのです。

 

沈んだ部分は、飯綱山ろくの水が流れ込む部分になっています。

そこを人々が水田を造成してきたのです…

 

いろいろなものを見て、総合的にその土地を考える!博物学

 

今年の実習生の中には、来年春からは「地質のプロ」になる方もいて、
北部フォッサマグナの地質を十分勉強してほしいなぁ、と思っています。

 

「地質学は、全ての学問の基礎である!」 この保科五無斎の言葉を

理解してほしいなぁ!とも思います。

 

 

追伸

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ツバメのヒナが大きくなっているのを確認することができました。

三羽はいました。親鳥が餌を一生懸命に与えていました。

ちょっと遅い気もするけれど、だいじょうぶでしょうか?