戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

お盆も営業中で、勉強中…

お盆期間中、実習生といろんな地質を見学しています。

 

ある時は、裾花川へ降りて、現在起こっている現象を見ます。

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川に堆積する土砂もさまざまな「顔つき」をしているからです

 

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流れが緩やかなところで堆積した泥層…

 

粘土分が多い層は、夏の日差しで乾燥し、体積が縮んで

 

割れ目(クラック)が発達しています。

 

こうした上を歩くのは、「賭け」でもあります

 

 

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表面は固くても、中はドロドロで、

 

深くはまることもあります。

 

これは、イノシシの足跡ですが、注意せねばなりません。

 

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氾濫時にたまった砂の層を貫いて、

植物が繁茂しています。

 

強いなぁ、植物たち…

水分をもとめて、深くまで根を伸ばします。

 

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土砂が洗われ、基盤となる海成層の砂岩中には、巣穴の化石もありました!

 

アナジャコの仲間が海底に掘った穴の化石で、直径3cmほど

 

 

 

戸隠が海だった証拠です。

 

実習中は、なるべく多くの本物をみてもらっています。

自然への理解を深め、その面白さを来館者に伝えてもらうためです。

 

 

「現在は、過去を読みとくためのカギになり…」  そして、

「過去の出来事は、現在の現象を深く理解するカギ…」  なのです

 

いろんな見聞が、彼らの卒業研究の役にたてばよいなぁ…

 

 

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柱状節理が発達する岩体「狢郷路山」を見上げながら、

実習生と、そんなことを考えていました!