戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

3.12

長野県最北端の栄村で、10年前に大きな地震がありました。

 

午前4時近く、地下8㎞付近で、マグニチュード6.7の地震が発生。

 

最大震度6強の揺れが観測されています。

 

家屋の倒壊や道路の崩落等の被害が発生しました。

 

信濃川断層帯の一部が動いたものと考えられています。

 

日本海が戸隠まで広がった頃、約400万年前は、同様に海だった地域…

 

その後の隆起が今も続いており、断層が各所にあると考えられています。

 

今日、野暮用で信州新町に行く際に見た、戸隠連峰

 

一夜山(貫入岩でできた山)

黒姫山(第四紀火山)も見えます。

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これも、何千回もの地震の結果でできた山です。

 

他人事ではありません!

 

そして、小川村から眺めた北アルプス

 

鹿島槍(2889m)や五竜(2814m)が、曇天ながらよく見えます。

 

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この麓には、糸魚川―静岡構造線が走ります。

 

これら3000m級の山々も、断層によって生じたもの…

 

 

「信州の風景は、断層と火山と河川の氾濫でできている…」

 

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2014年11月には、白馬や小谷で大きな地震があり、

「神代断層地震」と呼ばれたりしています。

 

 

これらの山の風景の中で、

手前に広がる、雪が消えた標高1000m程度の尾根の部分は、

かつての土尻川や犀川が流れていた平野…

(大峰面と呼ばれまている地形)

 

そこが隆起したのです。

 

こうした、信州の大地の履歴書を読み、付き合い方を考えよう…

 

災害の度に、そう思います。

 

ここは、そうしたことを伝えるための博物館です。

よかったら、解説を申し込んでみてください。