戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

足を伸ばして

昨日、志賀高原から奥志賀、雑魚川(ざこがわ)沿いを調査してきました。

 

火山が作り出した景色、大小さまざまな池や湿原があって

やはり魅力的な場所です。

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こちらは田ノ原湿原

点々とイワショウブの白い花が咲いていました。

案内看板には、江戸時代に、地元のかたが温泉熱を利用して

稲作研究をされたことからついた名前だとありました。

豊富な資源をつかった発想に感心します。

その研究成果がどうなったのかも気になるところです。

 

志賀高原を北上し、雑魚川に沿って栄村へ。

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大滝(おおぜん)が雄大な姿を見せてくれました。

最近の雨のためか、水量も豊富です。

 

この滝の上の面から上流にかけては、

2000~1500万年前にかけての海底火山の堆積物

グリーンタフ(緑色凝灰岩)が硬い岩盤をつくっています。

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水しぶきでわかりにくいですが、

川底が一面くすんだ緑色で、凝灰岩の層になります。

 

この凝灰岩が堆積したとき、一帯は2000m以上の深い海の底でした。

今では1000m以上の山の上です。

戸隠を含め、長野県北部一帯の隆起量には驚かされます。

 

「全てのものごとの根源にジオがある!」

という学芸員の大きな声が聞こえてきます^^;

 

ジオ(大地)の上に咲く花もきれいでした。

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キキョウの仲間、ソバナがちょうど見頃。

戸隠ではあまり見られない植物も多く、楽しく歩きました。

時には戸隠を出てみることも大事、ですね。