戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

気が付いてしまった・・・

雪解けがどんどん進み、

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ミスミソウも咲きだしました。

去年の冬越し前に、うっかり水をきらして

葉を枯らしてしまったので、

今年はだめかと思ったのですが、ありがたいです。

 

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花壇では雪が溶けたところから、

チューリップやヒヤシンスの芽が

 待ってました!

とばかりに、どんどん伸びてきました。

生き物の反応のよさに、うれしくなります^^

 

昨日に引き続き、企画展準備ネタですみません。

今日、展示準備室や2階の廊下から

生き物のはく製や標本を移動していて

はた、と気づいてしまいました。

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(↑ はく製がいっぱいの展示準備室)

 

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(↑ 液浸標本などが並ぶ2階の廊下)

 

企画展でつくろうとしている理科室っぽい場所。

それは、博物館全体がすでにそうなっているのです。

 

しかも10年以上の蓄積があり、

企画展で一朝一夕にその雰囲気を作ろうと思っても、

なかなか追いつきません。

 

館の理科室っぽいスペースが、

企画展示室にちょっと増えただけになるのか?

もうちょっと企画展の売りを考えないと、、、

とぼんやり考えながら、展示品を探していました。

 

一つ一つ運びだすかどうか選びながら見ていると、

けっこう面白いものが目に留まります。

 

例えば、グロテスクさが際立ってしまう臓器の液浸標本ですが、

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これを作った職人さんが、

動物から臓器を傷つけないよう丁寧にとりだして、

見やすいように染色して、広げて、固定して、

と色々な工程を経てつくっていることを考えると、

職人技の一点もの、芸術作品のようにも見えてきます。

 

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古い、目の模型です。

取り外しができる部分がふんだんにあって、

わかりやすさとしては、本物よりリアルなのでは、

と思わせます。

 

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植物の茎の断面模型。

こんな模型もつくっていたのかと驚きです!^^;

導管のコイル状構造が再現されています。

 

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サンゴの模型もあります!

さまざまな角度の断面、中身が再現されています。

職人さんが

 難題にチャレンジして、達成したぞ!

 どうだまいったか!!

と悦に入っている様子が浮かんできました。

 

こんな一つ一つの理科教材の面白さを

クローズアップして紹介するのが、

今回の企画展のテーマかと思い至りました。

 

より、理科室っぽい部屋で、その雰囲気を楽しみながら

展示をみていただけるよう、準備を続けたいと思います。