昨日は個人的にお休みだったので、飯綱山へ登ってきました。
(お天気がもってくれてよかった^^!)
来年の企画展で、明治8年(150年前!)に行われた内務省博物局による
信州山岳調査(このとき戸隠山でトガクシソウが発見されています)を
紹介する展示を予定しているのですが、
その行程の中に、飯綱山登山があるのです。
隊のリーダー 田中芳男は「日本の博物館の父」と呼ばれる人物で
あらゆるもののコレクターでもあり、メモ魔でもあり、当時の詳細な日記が残されています。
それに倣って、できれば8月8日に登りたかったのですが、諸事情でほぼ一か月後の決行となりました。
飯綱山の南登山道は現在、一の鳥居苑地が出発点。
アキノギンリョウソウが咲きだしていましたが、
これは花の時期にしか顔を出さないので、田中さんたちは見ていないでしょう^^;
登山道に入ると、所どころに十三仏の仏さまが安置されています。
こちらは12番目の大日如来さま
13体(+馬頭観音1体)を探しながら登るのが楽しい登山道です。
はじめ、200年ほど前に安置され、その後(明治初頭の廃仏毀釈のとき?)消失。
今あるのは昭和46年に復活させたものと案内看板にありました。
ちょうど田中さんたちが登った時にはなかったのでしょうか。
日記には登場しません。
今回の目的の一つが、途中の沢沿いで見たとされるシラヒゲソウ
花の時期はほぼ終わりだったのですが、
なんとか咲いている株を見つけることができました。
(田中さん、ありがとう><!)
日記では、山頂からは見晴らしがよかったとのことですが、
昨日はあいにくの曇り空。
途中、一瞬雲がきれて、かろうじて麓がみえました。
山頂(飯綱社)近くの井戸で水を汲もうとしたら枯れていて、
喉の渇きに悩まされた、と日記にはありますが、
今回、水はしっかりあったものの、
この場所へたどり着く道が藪になってしまい、ササをかきわけて進みました。
中央に、縦に通る道がかろうじてあるのがわかりますか?
田中さんの日記では、飯綱社があるピークから奥へ(現在の山頂へ)進む道を藪漕ぎしたとありますので、
そのイメージ写真としては使えそうです^^;
リンドウなど、すっかり秋の花に覆われていましたが、
田中さんたちの学術登山を想像しながら歩くことができて、
楽しい登山となりました。
リンドウの花に潜り込んで、
花粉や蜜を集めようとするマルハナバチにも会えました。
せっせと働いて、愛らしい^^
今回、一年ぶりに登ったのですが、
道のあちこちが整備されていて感心しました。
(登山道から雨水を排出するための溝と管)
段差も階段がつくってあるところが多かったです。
現在、田中さんたちの時代よりははるかに多くのかたが登山を楽しめるのは、
こうしたご苦労のおかげでもあります。
ありがたい、ありがたい・・・
そんな感謝もこめて、来年、登山の歴史をご紹介できればと思います。