戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

緊急事態発生><!

本日16時10分 わが館の出入り口が封鎖されたもようです!

 

f:id:Naturalhistory:20190627163958j:plain

学芸員の天敵、アリの大量発生です(*_*;

 

三重のバリゲードを作られてしまいました。

雨が強まるにつれて、どんどんその数を増していくようです。

 

別の職員が確認したところ、

玄関を横断し終えた後、列は収束。

f:id:Naturalhistory:20190627163122j:plain

その後、個々で解散しているのか、

列はばらけ、右往左往しているようすです。

 

学芸員は常々、

この世から無くなってほしいものの代表にアリを挙げています。

この無情なアリの権利侵害に対する 抗議声明でしょうか?

 

もしかしたら、博物館の敷地にすむものとして、

住環境の改善を求めているのかもしれませんし、

あるいは食糧難から難民化しているのかもしれません。

 

このアリたちの体をはった必死の訴えを突破し、

学芸員は外に出ることは可能でしょうか?

退館時間が刻一刻とせまっています・・・"(-""-)"

 

晴れてよかった…楽しかった授業…

長野市街地は、好天に恵まれ、まるで夏のよう…

気温は30度を超え、暑かったです。

 

はじめて、長野市立博物館の天体望遠鏡のドームに登り、

周囲を見渡してみました。

f:id:Naturalhistory:20190627103958j:plain

最高の眺望です。

飯綱、高妻、北アルプス茶臼山 皆神山はじめ周囲を一望できました。

f:id:Naturalhistory:20190627105233j:plain

いや、すごい、すごい、

今日みたいな天気のときは、展望台にしてもよいですね。

f:id:Naturalhistory:20190627105250j:plain

 

それにしても、最近地震が多いのが気になります。

 

気象もことしはちょっと異常で、西日本は今日から梅雨入りとのこと。

しかも、梅雨前線の西には台風がやってきており、上陸するかも、との情報…

いきなり、豪雨になりそうな気配がします。

 

その影響もあって、

あすからは、長野でも雨模様がつづくという週間予報になりました。

 

ちょっと、心配です。災害が発生しなければよいのですが…

 

さて、昨日も良い天気になりました。

柴犬館長も、満開の蕎麦の花をみながら、ご機嫌でおさんぽです。

f:id:Naturalhistory:20190627074233j:plain

 

私は、保科五無斎ゆかりの高校で、

総合的な学習の授業を一席演じさせていただきました。

 

こんなに晴れた天気では、教室にいるのはもったいない!

お願いして、高校の周りをあるくことにしました。

浅間山蓼科山の火山としての生い立ち、

町の西側にある断層と撓曲、

この信州が海だったころを振り返ります。

畑の作物や、花と実なども高校生と確認してきました。

 

石ころもハンマーで割ってみました。

この高校は、五無斎ゆかりの学校ですので、

玄関前には、安山岩の巨石で大きな山が築かれています。

この学校を特徴づける岩山で、蓼科山をかたどったものと思われます。

これも、五無斎先生をしのんでのものでしょう。

 

野外の後は、骨や皮から、動物の生態とのつながり、

生命の進化と大切さをお話させていただきました。

f:id:Naturalhistory:20190625145124j:plain

 

野外観察をしたり、ほら貝やオルガン管などの鳴り物を用意していったこともあり、

今回は、しっかりと高校生に聞いていただけたように思います。

ありがとうございました。

f:id:Naturalhistory:20190625143444j:plain

(これらの画像2枚は、高校の先生から許可を得て、掲載させていただきました。)

 

 

 

 

宿題の続きと梅雨の味覚?

まず、先日の土曜日の宿題の続きですが、

一の鳥居苑地の赤いツツジは、昨日確認してきたところ、

ヤマツツジでOKです。

f:id:Naturalhistory:20190624175801j:plain

葉の形態と樹高、全体に開花の時期を過ぎている

(苑地よりも暖かい博物館のサツキより早い開花)

という点で。

 

また、参加者のかたからご連絡いただき、

最新の分類で

ヤドリギは ビャクダン科

ホザキヤドリギは オオバヤドリギ

と科が別であることを教えていただきました。

ありがとうございます(^^)/

f:id:Naturalhistory:20190619113210j:plain

シラカバに寄生しているホザキヤドリギ(葉が細かいもの)

ヤドリギが常緑樹であるのに対して、

ホザキヤドリギは落葉樹で、みためもだいぶ違うので、

別ものだと言われれば、納得です。

ただ、ビャクダン自体が日本にはないので(お香の材料としては有名ですが)、

ビャクダン科 という名称が今一つしっくりこないです^^;

 

それから、先日の土曜日のブログで、

イカツツジ としたのは バイカウツギ の間違いです。

うっかりミスが多くて、すみませんm(__)m

 

さてさて、ようやく今日のお話。

今年も出てました!

f:id:Naturalhistory:20190625161953j:plain

イグチです。

最近雨が多かったからでしょうね。

大きいものは10㎝以上に育っていました^^

針葉樹の林にはえる種類のようですが、

博物館では植栽のイチイやマツの木の下に現れます。

どこから菌がやってきたのか、ありがたくも不思議です。

 

美味しいものがあれば、危険なものも旬(!?)

ご無沙汰の、マメの仲間ご紹介シリーズを復活します。

f:id:Naturalhistory:20190625163058j:plain

クララです。

日本の野生植物で、れっきとした和名です。

かわいらしい名前の由来は、全くかわいくないのですが・・・

毒草で、口にすると苦く くらくら~~

とすることから (*_*;

けっこうその毒は強烈で、

昔はトイレのウジ殺しにも使っていたとのことです。

 

でも、このクララのつぼみしか幼虫が食べない、

偏食のチョウもいます。

オオルリシジミという、とっても珍しい絶滅危惧種です。

あえて他の生き物が食べないものを選んだのでしょうか。

 

寄生植物やキノコ、毒草にチョウ、

生き物のつながりは、本当に感心するばかりです。

 

 

 

 

 

 

毎日、いろいろあります…

怒涛の2日間無事終了。

土曜日は、鬼無里支所・観光振興会からの依頼で、奥裾花渓谷の地層案内

f:id:Naturalhistory:20190521151010j:plain

 

 

日曜日は、当館の地質見学会で、飯縄山麓を巡検

浅川の油田跡、穴あきダム、逆さ谷地湿原、

f:id:Naturalhistory:20190624102724j:plain

 

鳴岩や飯縄鉄鋼泉、念仏池等で水の湧く現場を見て、

火山としての生い立ちをもつ飯縄山は、

長野市の水がめ」であることを確認しました。

 

途中、裾花川の河原で、石ころを観察…

飯縄山戸隠山を石ころから見てみました。

化石も見つかり、ちょっと感動!

f:id:Naturalhistory:20190624141201j:plain

2日間、午後はにわか雨も降りましたが、

無事に見学会を終えることができました、

いろいろあって、疲れました  "(-""-)"

 

皆さんに少しでも大地の生い立ちを知ってほしい!

そして、大地とうまく付き合って、もしもの時の被害を減らしたい!

 

そんなことを現場でお話させていただいています。

 

 

 

そんな中、朝の柴犬館長との散歩で、驚愕のものを発見!

近くのグラウンドでの一コマです。

 

なにやら、見えます、

ホームベースのちょうど真ん中!

f:id:Naturalhistory:20190623074606j:plain

 

おそるおそる、近づいてみました!

 

f:id:Naturalhistory:20190623074620j:plain

おおっ、これは濃紫色の糞!

おそらく、桑の実をたっぷり食べたものと思われます。
こんなことをするのは、イタチの仲間、テンでしょう… (゚д゚)!

 

究極の縄張り宣言! 

縄張りを荒らす?ヒトにたいする挑戦状!かもしれません。

 

いやー 毎日いろいろありますね。

動物も、人間も!

生きるということは、重荷を背負って歩き続けることなのかもしれません。

 

 

これには目がテン! (+_+)

 

おあとがよろしいようで!

幅を広げたい

今日は観察会で、飯綱高原の一の鳥居苑地を歩きました。

お子さん連れのご家族での参加もあって、

いつもよりにぎやかな観察会でした。

f:id:Naturalhistory:20190622094303j:plain

 

今が盛りのジンヨウイチヤクソウ。

f:id:Naturalhistory:20190622095245j:plain

野生でシラタマノキやイブキジャコウソウもはえています。

標高1100mちょっとなのですが、

飯綱高原の採草地の忘れ形見なのでしょう、

草原性の植物に交じって、亜高山~高山の植物も見られたりと、

観察にはお得な楽しい場所で、おすすめです。

 

さて、宿題になっていた植物です。

f:id:Naturalhistory:20190622091741j:plain

1つの穂の花数が20前後と多いので、コミネカエデでいいようです。

似ているナンゴクミネカエデは10前後と、少ないそうです。

 

赤いツツジは野生でしたらヤマツツジとしたいのですが、

近くに以前、茶屋があったので、

植栽種の可能性もあると難しくなってきます。

花の時期が遅いので、サツキの品種である可能性も。

f:id:Naturalhistory:20190622154247j:plain

(左が博物館のサツキ、右が苑地のもの

苑地のものは葉の幅も広いので、ヤマツツジの範囲に入るのですが、

サツキの園芸品種には葉の幅が広めのものもあるようです。

もうちょっと、検討させてくださいm(__)m

 

こんな苑地には、最近では外来植物も入り込んでいます。

f:id:Naturalhistory:20190622105838j:plain

こちらはウズラバタンポポ。もともと園芸植物です。

花はまだ咲いていませんが、葉のウズラのまだら模様が特徴です。

参加者のかたによると、

庭に植えておくと、後で困るほど増えてしまうそうです。

苑の管理人さんにすぐ通報。早めに見つかってよかったです^^

 

野生植物の知識だけでは、

わからないことがたくさんあることを実感しました。

野外での観察を充実するためにも、園芸種や栽培種の知識も重要!

それを思い知らされる、とどめの一撃が、

観察会の後に、ご近所さんから届いたお花の贈り物。

f:id:Naturalhistory:20190622152420j:plain

園芸のバイカウツギ。花が4~5㎝はあります。

ちょうど先週、近くの山でとった野生種を標本にしていたので

並べてみました(右側の小さいもの)。 その差は歴然! 

お庭でこの立派な花を見ていたら、

山のものが寂しく感じるのは当然だと実感。

 

もっと幅広く勉強していかないと、心を新たにする日になりました。

復活

昼休みに郵便局へ行くと、さわやかないい香りがします。

f:id:Naturalhistory:20190621124404j:plain

お向かいのお宅のバラがちょうど盛り^^

香りってこんなに漂うものか驚くほどでした。

 

さて、午後は高校生の授業で地層見学です。

f:id:Naturalhistory:20190621142008j:plain

道に転がり落ちていたのは、

火山灰が挟まった、しましまがきれいな石。

先日の地震で落ちたのかも?、と話をしようとする前に、

ミルフィーユだね」と先生が言い出せば

「バームクーヘンでしょう!」と生徒さんの主張。

直感は面白いです。

 

また、クワの実がちょうど食べごろで、

授業中にもかかわらず、

ついつい、つまみ食いがとまりません^^

f:id:Naturalhistory:20190621173316j:plain

「これが話にきくクワの実!」と驚く先生。

生徒さんにもわりあい評判がよかったです^^

 

生徒さんが5人と、少人数だったこともありますが、

若者+先生のダイレクトな反応が楽しい、地層見学でした。

 

最後にちょっとご報告。

3月の暖かい陽気にはやばやと芽を出してしまい、

4月の霜でその芽が枯れてしまったハッカクレンでしたが、

f:id:Naturalhistory:20190614153349j:plain

6月になって、新たな芽をだしてくれました!

さすがに花はつけていませんが

とにかく、生きていてくれてよかったです><

霜対策をしなかった職員のミスを許してくれたようで、

日々ながめては、感謝しています m(__)m

 

 

 

カミキリムシの好み

職員が玄関の外にある水道まわりを掃除しようとしたところ、

きれいなカミキリムシを見つけました。

f:id:Naturalhistory:20190620102450j:plain

ベニカミキリというそうです。

 

図鑑には、「成虫は、クリやアカメガシワの花に集まる」

「産卵場所は枯れたり伐採された竹類」とあります。

 

しかし今回みつけた状況は、

職員が外の水道の排水桝にたまったヘドロをさらうために、

ふた(グレーチング)を持ち上げてみたところ、

排水パイプのふちにとまっていた、とのことです。

 

クリの花・・・・枯れた竹・・・・排水桝・・・・

この3つがつながるのは、もしかして・・・

もったりとした 臭いにおい!?

このカミキリを発見した職員が、腐った竹も独特の臭みがある!

とひらめきました。

 

さらに図鑑の記述によると

「成虫は手でつかむと、強烈な刺激臭を放つ」とあります。

今回は弱っていたためか、それは感じませんでしたが、

臭いもの好きな虫で、体に臭いをため込んでいるのでは?と

勝手な想像をしてしまいました^^;

 

カミキリムシつながりで、こちらは少し前のことです。

戸隠の山中で、ヤマシャクヤクの花の中に

カミキリムシをみつけました。

f:id:Naturalhistory:20190602145429j:plain

ヤマシャクヤクの花びらや花粉を食べる

フタスジカタビロハナカミキリ です。

おかげで花はぼろぼろ・・・><

f:id:Naturalhistory:20190602152611j:plain

こちらの花には5匹も^^;

シャクヤクの花が、食事の場と出会いの場を兼ねていました。

交尾後、近くの枯れ枝や落葉に産卵し、

幼虫はシャクヤクの生きた根茎を食べて育つそうです。

 

貴重なシャクヤクに頼りきりのカミキリムシ。

ちょっと手加減してもらわないと、

花も人も、それにカミキリムシ自信も困ったことにならないかな、

と思うのは、またもや余計なお世話ですかね。

(もちろん人は、

山からシャクヤクやカミキリムシを採ってはダメですよ!)